平楽地域の治安維持に努めてきた平楽交番が3月31日に廃止され、八幡町交番に統合される。建物の老朽化や事故事件の取扱件数などを踏まえ、交番の数を減らす「神奈川県警察交番等整備基本計画」によるもの。4月からは同地域に警察車両を交番代わりにする「アクティブ交番」を配備し、臨機応変に活動できる新たな警備体制として定着を図る。
南警察署によると、平楽交番は1893年に唐沢に建てられた駐在所が前身。1958年に駐在所から派出所に昇格し、現在の場所に移転新築された。それから63年間にわたって地域の治安を維持してきた。
県警は現在471カ所ある交番を2020年度から29年度までに約400カ所に減らす計画を進めており、平楽交番の廃止が決定。4月1日に八幡町交番に統合されることになった。南区ではこれまでに弘明寺、宮前、清水ヶ丘、真金町の4交番が廃止されている。県内では4月に12カ所の交番が統廃合される。
移動式車両で見守り
廃止後も地域の安全確保を図るため、4月1日から交番の機能を持ったワンボックス型の車両「アクティブ交番」を配備。昨年11月に住民を集めて模擬車両を披露する説明会を開くなど、地域の理解を得た上で準備を進めてきた。
車両は平楽公園、唐沢公園、増徳院の3カ所を巡回し、午前と午後の約2時間、主に子どもの登下校に合わせて活動。パトロールと並行して事件事故の発生を防ぐ。また、4月1日に運用開始を記念する式典も予定している。
住民から惜しむ声
長年、平楽交番のそばで飲食店とクリーニング店を営む山田肇さんは「店の前に交番があるという安心感があるので廃止は残念。よく店に来てくれる警察官の皆さんとの交流も楽しかったので寂しい」と話す。
交番の警察官と合同パトロールを行ってきた平楽会の塚田吉之会長は「住民からは『小中学校が点在しているので子どもの安全が確保されるか心配』『交番が事故事件の抑止力になっている』『バス通りで道幅が狭い地域なので特に夜間のパトロールを強化してほしい』などの意見が出ている」と話し、心配する声もあるという。
南警察署は「可能な限り地元の思いを汲み取り、皆さんが安心して生活できるようにアクティブ交番を機能させ、パトロールを強化していきたい」としている。交番が取り壊された後、土地は横浜市に返還される。
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