写真家で香港の民主活動家などを撮影した作品展を開いている 中村 康伸さん 伏見町在住 51歳
自由の危機 写真で訴える
○…香港で2014年に起きた民主化デモ「雨傘運動」以降の状況を撮影し続けた写真展を4月17日から中華街内のギャラリーで開いている。同年、知人に連れられてデモを目の当たりにし、「市民の熱さを感じた」。これまでに香港を11回訪れ、デモの最前線でカメラを構え続けた。日本のデモとは比較にならない熱量を感じ、「自由が失われている危険な状況であるのに、日本人がこの問題に無関心であってはいけない」と警告する。
○…埼玉県・越谷で生まれ育った。乗り物が好きで、飛行機や車のプラモデルをよく組み立てた。高校時代は夏休みに自転車旅行をし、寝袋で野宿生活したこともある。今もロードバイクが移動手段だ。大学では映画サークルで仲間の写真を撮影。卒業後はテレビの構成作家や映像編集などをしてきた。趣味で撮影し、ネットで公開していた夕焼けや朝焼けの写真がギャラリー関係者の目に留まり、作品展開催を持ち掛けられた。「夜中の田んぼの静けさが好き」と魅力を語る。今でも夜中に思い立つと、自宅から中華街へ自転車を走らせ、静寂の街にレンズを向ける。
○…香港の様子とともに力を入れるのが猫の撮影。街中をさまようように歩く猫を撮り続ける。商店街や雑踏の中を闊歩する猫の一瞬を切り取る。「まさに生きている姿が感じられる」という。目標は全都道府県の猫を撮ること。撮れたのはまだ半分程度で、ライフワークにしていく。
○…家は数人のシェアハウス。野宿の経験から「気にならない」と笑う。コロナ禍でこの1年は香港に行けていないが、民主活動家が逮捕されるなど、事態は深刻だ。「声を上げなければ」と写真を通して自由のあるべき姿を訴える。
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