市立横浜商業高校(Y校)ボート部の選手が8月16日から19日まで福井県で行われた全国高校総体(インターハイ)に出場し、2人1組で出場する「女子ダブルスカル」で優勝した。同校ボート部の高校総体の優勝は男女通じて59年ぶりの快挙。1年生からペアを組む2人が支え合って頂点に立った。ほかの種目でも入賞者が出るなど、部全体で活躍を見せた。
記録更新で優勝
インターハイのボート競技は1千mの距離を5、6チームずつが漕いで争う。
女子ダブルスカル(2人乗り)で優勝したのは山村雪乃さん(3年)と安本杏夏さん(同)。予選ではスタートダッシュに成功したが、呼吸が合わずに失速。後半は追い上げを見せたがグループ2位通過となった。
1年生からペアを組む2人は「準々決勝以降は今までの厳しい練習を思い出し、悔いが残らないレースにしよう」と気持ちを切り替え、互いを鼓舞し合った。
準々決勝、準決勝はグループ1位で通過。決勝は2位以下のチームを大きく突き放し、自己ベスト記録を4秒以上更新する3分40秒75で全国制覇を果たした。
女子5人乗りは4位
Y校の選手は「女子舵手つきクォドルプル」にも出場し、4位入賞した。同種目はボートを漕ぐ4人とバランス良く漕ぐための指示などを出す「コックス」と呼ばれる1人の5人1組で臨む。人数が多いため、チームワークが重要になる。
出場したのは里はなさん、木菱和奏さん、光武和香さん、宮崎そらさん(いずれも3年)、若鍋さくらさん(2年)の5人。コックスの木菱さんが指示を出すと、主将の里さんが中心となってチームを鼓舞。課題としていた後半もリズムを保ち、3分41秒14の好タイムで4位に入った。
里さんは「大岡川での練習中、地元の皆さんが声を掛けてくれた。入賞という形で恩返しができて良かった」と笑顔を見せた。そのほか、「男子シングルスカル」では小林剛丸さん(3年)が準々決勝に進出した。
伝統の特訓奏功
コロナの影響で昨年のインターハイは中止に。休日に相模湖で行う水上練習が制限されたため、この1年半は陸上でのトレーニングが大半を占めたという。
そんな状況下でも選手が着実に力を伸ばしたのは伝統の練習メニューにあった。水上練習を想定できるトレーニングマシンを使い、2千mを全力で2セット漕ぐというもの。レースの倍以上の距離を漕ぐことで強靭なスタミナが養われる。これが大会での粘り強さにつながり、インターハイで好成績を残した。
監督の會田尚貴教諭は「調整が難しい中、子どもたちは実力以上のものを発揮してくれた。個人の力に限らず、いざという時の団結力も見事だった」と話し、チームワークの良さも評価した。
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