新型コロナウイルス感染症で最も深刻な事態となった「第5波」では、若年層への感染拡大が目立った。横浜市内でも7月から約3カ月間の感染者の半分近くが30歳未満を占めた。市は9月16日にワクチン接種の時間や場所を拡大するなどのコロナ対策加速化プランを発表。「第6波」に備え、急務となる若年層への対策などを急ぐ。
30歳未満の若年層の新規感染者数の割合を年末年始の流行期と比較すると、昨年12月は31%、1月は33%だったが、第5波となった7月は42%、8月は46%、9月は44%(20日現在)と各月で約10ポイント上昇。特に増加傾向が顕著だったのは10歳未満で、7月は昨年末と同程度の4%だったが、8月は7%、9月は9%だった。
また、保育園などの子ども関係施設や学校などの教育機関でのクラスターは、12月と1月で合わせて7施設だったが、7月1日から9月20日では、夏休み期間中であったにもかかわらず、53施設(子ども関係施設39、学校等教育機関14)と大幅に増加した。
6波に向け備えを
一方、9月15日時点で市内で2回のワクチン接種を終えた人は51・2%。市内年代別では、70代の89・9%をトップに年代が若くなるごとに接種率は下がり、20歳代で46・8%、12歳〜19歳で42%にとどまる。
市は16日、加速化プランを発表し、若年層の感染予防策を公表した。16歳から39歳までを対象とした「若者向けワクチン接種センター」を関内駅そばのビル内に開設。週6日、1日約1千人に接種を行う。火〜木、土、日曜日は午後2時〜9時、金曜日は4時〜11時。横浜市大センター病院=浦舟町=では18歳以上を対象に、金、土曜日の午後10時から翌朝7時までの接種を実施する。いずれも10月から始め、6週間実施する。
横浜市医師会の水野恭一会長は「今できるのはワクチン接種の促進と自宅療養者にも積極的に治療できる体制を整えること。第6波に備え協力して進めていきたい」と話している。
市は「若い世代は行政情報になかなか触れることが少ないという課題意識がある」とし、若者向けの情報発信にも着手。16日に横浜市LINE公式アカウントからワクチン接種の予約受付を開始したほか、WebやSNSを活用した接種促進を予定する。
減少傾向続く
市内、南区内の感染者数も減少傾向にある。8月中旬から下旬にかけては1週間で市内で7千人を超える新規陽性者が確認されたが、それをピークに減少し、9月17日から23日までの1週間は市全体で922人となり、2カ月ぶりに1千人を下回った。南区の感染者数は直近1週間で70人で、こちらも2カ月ぶりに100人を下回った。
ワクチン接種に関する問い合わせは市コールセンター【電話】0120・045・070。
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