六ツ川の県立こども医療センター内にある小児がんセンターは、小児がん患者と家族への理解を深めてもらおうと、「国際小児がんデー」の2月15日にWebサイトを開設した。サイトは小児がんの啓発に取り組む企業や団体から寄せられた応援メッセ―ジのほか、すごろくやダンス動画を掲載するなど、関心を引くコンテンツとなっている。
イベント代わりに
こども医療センターは厚労省から県内唯一の小児がん拠点病院に指定される国内小児医療の最前線に立つ病院。白血病や骨肉腫などを克服するため、県内を中心に全国から患者が訪れる。
例年、小児がん患者の写真展や医療センターの職員らの楽器演奏を交えたイベントをクイーンズスクエア横浜=中区=で開催する。しかし、新型コロナウイルスの影響で2年連続で中止となった。
小児がんセンターの北河徳彦医師らは、イベントに代わる形で小児がんについて発信する方法を模索。地域に限定されず、多世代に呼び掛けられるWebサイトの開設を決めた。
20者が協力
Webサイトは北河医師らが作成。反響を確認し、それを新たな取り組みに活かすため、2月15日から3月31日までの限定公開とした。
小児がんの情報をまとめた説明スライドや病気と闘う患者と家族のインタビュー動画、約20者の関係企業や団体から寄せられた小児がん患者などに向けた応援メッセージなどを掲載。病気への理解を呼び掛ける。
応援メッセージは閲覧者も送信できる。「小児がん治療のための献血に協力したい」「自分にできることは何かあるか」との相談も寄せられ、支援の輪が広がっている。
明るく発信
Webサイトが明るい雰囲気になるように参加型企画を考えた。サイト内にある9つのキーワードを集めて、それらを並び替えると、抽選で賞品がもらえる「すごろく」や、小児がん患者の支援に取り組む団体が考案したダンス動画を掲載。医療センターの職員らで構成するバンドの演奏動画も関心を引く。
こうした多面的な啓発で、病気になじみのない若者などに理解を求める。企画の考案に携わった栁町昌克医師=人物風土記で紹介=は「(Webサイトを)開設して2日間で1千人を超えるアクセス数があり、今も増えている。一般の方からも応援の声が届いており、小児がんへの理解が得られる活動になれば」と話し、期待を込める。
Webサイトは3月31日までの公開だが、状況により、運営の継続化も検討していく。
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