南太田の学童「夢学童保育」の子どもが着られなくなった洋服などを譲り合うイベント「おゆずりパーク」が6月18日、南太田4丁目高架下子どもの遊び場で初開催された。保護者の声をヒントに、学童が児童とも協力して企画したもので、環境保全や地域交流の醸成を目指し、開催規模拡大も視野に入れる。
同学童は約50人が利用し、市立永田小学校の児童が約20人在籍する。コロナ禍前は、地域住民を迎え入れたイベント「あきまつり」を開催。本やおもちゃ、雑貨などを販売するバザーのほか、子どもが考えたゲームや保護者による飲食の模擬店が並び、地域の絆を育む多世代交流の場としてにぎわった。
感染症対策を講じた上で社会活動の推進を図る「ウィズコロナ」の考え方が浸透する中、密を作らない場所、形態でのイベント開催を決めた。児童、保護者とともに、「あきまつり」に代わる時代のニーズを捉えた企画を考えていた。
子どもの成長によって、買った服がすぐに着られなくなってしまうという保護者の切実な悩みをヒントに企画を練った。ごみを減らし、地球の資源を有効に活用する「循環型社会」の実現に貢献しようと、子どもが着られなくなった洋服や靴を譲り合う「おゆずりパーク」を同学童の関係者だけで試験的に行うことにした。
6月18日は洋服や靴、水着、リュックサックなど約300点が並んだ。子どもたちは話し合いを重ね、欲しい物を手に取った。企画に携わった保護者は「子どもたちにコミュニケーション能力や思いやりの心を養ってもらい、コロナ禍で希薄化した保護者の交流を深める機会になった」と手応えを感じていた。
子どもに活躍の場
「おゆずりパーク」の準備には子どもも貢献。衣類を低学年用と高学年用に分別するなど、見やすい配置を考えた。未回収の物が持ち主に返るよう、名前を書いたシールを貼る作業も行った。
”子ども店長”として現場をまとめた大友瑞稀さん(永田小5年)は「洋服の色などを見て、平等に目に付く配置を考えた」と話し、共同作業で絆が深まったという。
夢学童保育、保護者、児童は今回の取り組みに手応えを感じ、今後は開催規模の拡大を検討。地域住民に参加を呼び掛け、年2回ほど開催したいという。同学童の林秀周さんは「地域に根差した学童として、多世代交流の促進につながる取り組みを進めていきたい」と意欲を見せる。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|