井土ケ谷下町の中華料理店「公珠」を経営し、こども食堂を手掛けている 金澤 公士(たかし)さん 井土ケ谷下町勤務 56歳
「何ができるか」を追求
○…飲食店として地域のために何ができるかを考え、取り組んでいるのが「夢食堂」という形態のこども食堂。大人が「夢チケット」を購入することで、子どもがチケットを使って無料で食事ができる仕組み。「取組の浸透は嬉しいが、チケットが使われない日は、困っている子どもが少ないと考えられる。日ごろから子どもたちを支えている皆さんに感謝したい」と穏やかに話す。
○…愛知県出身。大学卒業後、地元企業に就職したが、卒業旅行で訪れた横浜の異国情緒あふれる街並みが忘れられずに3カ月で退職。横浜中華街の名店「大珍楼」に転職した。厨房のほか、中華菓子の製造や百貨店での販売業務などを担った。仕事に対するひた向きな態度が評価されて、勤続15年目を迎えたころ、社長に就任。多い時は約300人の従業員をまとめた。「大珍楼に就職した時、従業員の90%以上が中国人で言葉が分からずに困ったが、皆さんが優しく接してくれた。人と打ち解けるのに言葉の壁は関係ないと気付かされた」と語る。
○…「地域に根差した社会貢献の幅を広げたい」と思い、約30年間勤めた大珍楼を退職し、2017年に公珠を開業した。環境にやさしい紙ストローを採用するなど、SDGsの取組を進める。二酸化炭素の排出減になると言われている昆虫食に着目し、コオロギパウダーを使った餃子のメニュー化を検討する。
○…横浜南央ロータリークラブの会員。釜石漁港での被災地支援では「被災地の現状を自分の目で確かめることができた」といい、足を運ぶ活動にやりがいを感じている。最近、母が他界。「老老介護」を経験した父の苦労を見てきただけに、「高齢者の力になれる取組も考えたい」と支援の輪を広げていく。
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