市立南太田小学校4年の物部紗良さんがピスタチオの殻を使ったボードゲームを開発した。家族が食べていたピスタチオをヒントにしたもので、資源の無駄をなくし、多世代交流を図るツールとして普及を目指す。
ゲームタイトルは、「ピスタワード」で2〜4人でプレー。対象年齢は5歳以上。
ゲームは二等分したピスタチオの殻80個の山から平仮名が書かれた「文字ピスタ」を1人1個ずつ見ないで取って、「ピスタくんプレート」に裏返しで置くところから始まる。じゃんけんの勝者が3個の「数字ピスタ」を投げ、出た数字の合計文字数の言葉作りを目指す。この時、表向きにした文字ピスタに書かれた平仮名を言葉に入れることが条件。一番先に言葉を完成させた人がポイントになる「ピスタチオの実」を2個、一番先に完成させた人から10秒以内に言葉を作った人が1個獲得し、先に実を7個集めた人の勝利となる。
頭の体操に
昨年9月、物部さんは廃棄されるピスタチオの殻を有効活用できないかと考えた。そして、両親の影響で好きになったボードゲームを一から作るという発想に至った。
殻を使ったオリジナル作品の開発を目指し、母・有美さんの支援を受けて制作に着手。ルールを明確化し、難易度を簡単過ぎず、難し過ぎないようにすることを意識して思い浮かんだのが言葉を並べるゲームだった。幼児も遊べるように平仮名を選択し、「数字ピスタ」を3〜6個まで増減できるようにするなど、難易度を調整。試作品をボードゲームカフェの常連客や南太田小の同級生に遊んでもらい、感想をノートにまとめた。頭の体操を行う感覚で多世代に楽しんでもらえるように考えて作ったといい、1月に「ピスタワード」を完成させた。
南太田小では様々な学年の児童にゲームを体験してもらった。有美さんは「内気な性格の児童がクラスの輪に入るきっかけになった」と話し、学校側から喜びの声が寄せられたという。物部さんは高齢者の脳トレになると考え、福祉施設でゲーム交流会を開くという新たな目標を見つけた。
祭典に向け準備
物部さんは5月14日に東京ビッグサイトで行われる「ゲームマーケット」に出展する。ピスタワードのほか、友人の要望をもとに作った「マーブルワード」という透明のおはじきを使って言葉を完成させるスピンオフ作品を50個ずつ販売予定。物部さんの活動を知った「日本ナッツ協会」は大量のピスタチオの殻を物部さんに贈って後押し。ゲームの説明書も完成し、販売に向けた準備を進めている。
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