横浜市は7月6日、物価高騰対策事業として行った「レシ活」に関し、利用者がポイント還元を受けるために使っていたアプリのシステム障害により、約4億円分のポイントが規約で定めた期限より前に失効していたことを発表した。期限前失効の対象利用者は約9万7千人で、運営会社はポイントを返還する方向で検討している。
運営会社「アプリの障害」
レシ活は市から業務委託を受けたWED株式会社=東京都=が運営するアプリ「ONE」を使い、買物をした際のレシートを投稿すると、後日、ポイントが付与されるもの。ポイントはアプリ上で電子クーポンへの交換や銀行口座へ出金できるようになっていた。
事業は2021年12月に「レシ活チャレンジ」としてスタート。当初はコロナ禍に苦しむ飲食店を支援する目的で始めた。22年8月には、原油高騰や物価高の影響を受ける市民や事業者のために「レシ活バリュー」を開始。食料品やガソリン代も対象となり、利用金額の20%(投稿1回の付与上限は600円分)がポイントとして付与された。「バリュー」は市が想定したペースを上回る利用があり、約2カ月で予算上限に達した。今年1月1日から第2弾を実施し、2月4日に還元予算の30億円に到達。事業開始からこれまでの還元総額は約77億2293万円、利用者は延べ約102万5700人。
問い合わせ相次ぐ
ONEの利用規約ではポイントの有効期限は「最後にポイント残高の付与を受けてから120日を経過した場合」とされている。しかし、市経済局によると、6月中旬以降、「120日前なのに、ポイントがなくなっている」といった問い合わせが相次いだという。市は運営会社のWEDに状況を確認したところ、アプリのシステム障害で、120日経過前に約9万7千人の約4億円分のポイントを失効させていたことが分かった。WEDの発表によると、不具合は6月13日に発生し、規約の期限より最大で24時間前に失効させていたという。市はWEDに失効分のポイント復活を求め、7月3日に行った協議の中で、WEDから120日前に失効した分について「市の申し入れも踏まえて、社の判断として失効額を戻す対応を検討している」と申し出があったという。
アプリ上では失効日7日前と前日に通知が出る仕組みだったが、それに気が付かずに120日が経過し、ポイントが失効した人もいる。市はこの失効分に関しても復活を求める申し入れをしており、WEDとの間で対応を協議している。
南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|