横浜市こども植物園の職員で、植物の魅力を発信するイベントを企画する 速水 善浩さん 六ツ川在勤 53歳
経験が「開眼」の道しるべ
○…こども植物園に勤務して10年目。先日、子どもに植物や昆虫などの自然を身近に感じてもらうイベントを企画し、子どもの感性を育む機会となった。「何事も今すぐに興味を示さなくても後に関心を持つことがあり得る。子どもたちの視野を広げられる取組を大事にしたい」ときっぱり。
○…物心がつく頃には植物に興味を示し、高山植物や食虫植物などを幅広く育てた。高校では農学系の進路も考えたが、「趣味を仕事にしたくない」という思いもあって、美術大学に進学した。だが、「本当に好きなのは美術ではなく植物」と認識。卒業後は植物の卸業者に就職した。その後、仕事で知り合った人の紹介でマダガスカルへ。2カ月間の滞在で熱帯植物を見て学んだ。現地の小学校を訪問した感想などをまとめた報告書が小学校を建てた篤志家に褒められ、「文章力が開眼した」といい、収穫は植物の知識だけではなかったとか。
○…その後、高知県の牧野植物園の職員に。海外出張を経験し、ミャンマーでは新種の植物を発見した。日本では見られない植物を観察し、「バタ臭いものが嫌いだという価値観がなくなり、日本の伝統園芸植物以外も好きになった」といい、視野が広がった。展示会の企画や事務作業のほか、マダガスカルで開眼した文章力を生かし、年報の制作にも携わった。
○…10年前からこども植物園に勤務。その時から、本紙の連載コーナー「季節の花だより」の執筆に携わる。月1回の頻度で連載しているが、これまで内容が重なったことがない。「常に新しい情報を読者に届けたい」と語り、植物の専門家としてプロ意識を持つ。植物を育てる才能に長けた人のことを示す「グリーンフィンガー」を目指し、今後も勉強に励む。
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