男性保育士が保育の楽しさや新しい価値を生み出そうとする初めての研修企画が1月13、14日に永田東のくらき永田保育園で行われた。保育園職員では圧倒的少数の男性だが、園の垣根を越え、子どもとの遊び方を模索するなどし、今後も連携しながら保育の魅力を発信していく。
職員全体の4%
企画は横浜や東京の異なる保育園で働く男性保育士5人によるグループ「新しい保育のリーダーズ」が進めた。5人は昨年行われた研修で意気投合し、保育の質を高めながら、社会に対して新しい保育の価値を生み出そうと考えた。
独立行政法人福祉医療機構が2019年に公表した調査結果によると、保育施設で働く男性は全体の4%で、男性がいない施設が約55%だった。
グループメンバーでくらき永田保育園の保育士・淺野一行さんは「男性保育士というだけで、『細かい作業ができるの』と聞かれることがある」と率直に語る。メンバーで、東京・渋谷区の遍照広尾保育園に勤務する宮西実也さんは「保育士に男女がいて当たり前」としつつも、「保護者から『女性の先生の方がいい』と言われることはある」と話す。
メンバーは保育園での子どもの「遊び」を大人が深く考え、共有することが新しい保育の価値の発見につながると考え、「保育×遊」をテーマにした研修を企画した。
男性保育士や保育士を目指す大学生らに呼び掛け、13日は全国から約80人が参加。メンバーの園で取り組む木製の積み木やけん玉、草木を見たり感じたりする遊びを体験した。淺野さんは「大人がワクワクしながら積み木を重ねる様子を子どもに見てもらえれば、同じように盛り上がるのではと感じた」とし、遊びの楽しさを発見した参加者が多かったという。
その後、メンバーは参加者に男性保育士ならではの苦労を語り、更衣室がなく、トイレや車中で着替えていたエピソードを紹介。宮西さんの園では男性が6人と多く、志望する男性も増えているとし、「スプーンを持てたなど、子どものちょっとした育ちを共有できる保育の面白さをこれからも伝えていきたい」と手応えを語った。
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