「桜剣士会」の創設者で、今年度の市スポーツ普及功労賞を受賞した 佐藤 和義さん 南太田在住 65歳
剣道を文化として継承
○…横浜の体育・スポーツの普及振興に顕著な功績のあった人物・団体に授与される「横浜スポーツ表彰」で普及功労者に選ばれた。剣道の段位は教士8段。全日本高齢剣友会常任理事、南区剣道連盟顧問など、数多くの肩書で剣道の普及に努めている。
○…江戸川区に住んでいた小学1年生の時、「見知らぬおじさんに『中で遊ばないか』と声を掛けられて」足を踏み入れたのが東興館(後の高野道場)。「見知らぬおじさん」は剣道界のレジェンド、高野佐三郎さんの孫、高野孫二郎さんだった。「遊び場感覚」で道場に通い始めたが、めきめきと頭角を現し、日体荏原高校から日本体育大学へ進学。輝かしい戦績を残したが「剣道を取ったら何もない人生は嫌だ」と卒業後は竹刀を置き、水泳の指導者としてスポーツセンターに勤務。子どもの遊び場が少ないことに危機感を覚え、30歳で独立。地域の子どもに水泳や体操などを教えるNPO法人カンガルークラブを設立した。一男一女に恵まれたことを機に「自分の子にも剣道を教えたい」と再び剣道の世界へ。27年前に「桜剣士会」を立ち上げ、各地で指導する。
○…剣道の競技者数は全国的に減少しているが「剣道を知らない人に分かるように伝えることが大事」と課題を分析。高校で師事した監督からは「たとえ勝ってもいい試合じゃないと叱られた」と振り返り、礼儀作法、所作礼法も含めて剣道だという。「剣道は日本固有の武道。剣道という伝統文化を継承していきたい」と意欲を見せる。
○…趣味は低登山を兼ねた「苔散策」。屋久島や奥入瀬などの名所よりも道端でひっそり生える苔が好きだという。古来から生き残る苔の姿に、次世代へ継承する剣道の未来が重なるようだ。
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