市立蒔田中学校(熊切隆校長)で3月18日、2年生が防災に関する発表を行った。総合的な学習の時間で防災をテーマにした活動を続けており、生徒は地震や風水害への備えなど、調べたことを地域住民らに伝えた。同校は「生徒が災害時の自身の役割などを考え、地域の中で学んだことを伝えてほしい」と地域防災の担い手として期待する。
「担い手」目指す
同校は防災についての必要な知識を学び、地域防災の担い手として周囲に伝える活動を通して自助・共助の重要性を考えてもらおうと、総合的な学習の時間で防災教育を行ってきた。
2年生は昨年12月、南消防署や南区役所から過去の災害や南区で想定される災害の特性などの話を聞いた。生徒はその後、テーマごとに8グループに分かれ、市が作る防災関係動画やアプリを通して学習したり、消防署などから指導を受けながら、学んだことを発表するための準備を重ねた。
18日の発表会には、周辺の町内会関係者や生徒が職業体験を行った事業所を招いた。地震への備えについて発表したグループは、家庭に備えておきたい防災グッズを紹介。加えて、避難所の場所やルートを事前に確認しておくことの重要性などを説明した。
災害時の避難所となる地域防災拠点に設けられる下水直結式仮設トイレ(通称・ハマッコトイレ)の組み立ても行われた。同校が同拠点になることから、保護者らは関心を持って見ていた。
参加した町内会関係者は「日中、災害が起きた際、中学生の力が必要になる場面があるはずで、こうした取組は心強い」と語った。
積み重ねで力に
同校はこれまでも東日本大震災で被災した中学校の校長から体験談を聞くなど、防災教育に重点を置いてきた。
学校教育目標の中で目指す資質・能力として▽認める力▽伝える力▽チャレンジする力――の3つの力を掲げており、今回の防災学習もそれに沿って進めてきたという。熊切校長は「生徒が学んだことを家庭や地域で伝えてほしい」と話し、地域防災の担い手になることを期待した。さらに、「防災学習はどんな内容がふさわしいか、毎年変わる」とし、学習の積み重ねによって力を付けていくことが重要だとした。 =デスク・レポートに関連記事
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