日本人と労働【6】 将来への希望感じる社会に 元全日本労働総同盟 国際局長 相原正雄
国内の労使関係構築に力を注いだ井土ヶ谷下町在住の相原正雄さん(84)による月に1度のコラムです。自身の体験で感じたこと、伝えたいことを掲載します。
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春は毎年賃闘(春闘)が注目されます。「賃上げ」で消費を増やし、景気を良くすることは労使ともに必要であると認識しています。
日本経済をジェット機に例えると、エンジンは個人消費、設備投資、政府支出、輸出の4つで、パイロットは首相です。ジェット機はいま、中国経済の不調による積乱雲に覆われ、為替変動という名の乱気流にのまれています。このままでは将来への不安から乗客(国民)は墜落を恐れ、ライフジャケット(貯蓄)を膨らませ続けることになります。
4Kテレビはまだ放送が始まっていません。自動車産業における自動運転や水素エンジンの普及も、まだまだこれからです。サービス産業において、旅行やグルメ分野の消費拡大が期待されます。
また、サービス産業で忘れてならないのは、高齢者を支える介護と子育て世代を守る育児の分野です。介護や保育従事者は低賃金などが問題視されていますが、時代が求める働き手を増やし、より良いサービスが受けられるよう、参入の会社の労働環境、賃金について、行政のきめ細かい指導が必要です。
パイロットの責任は、ジェット機が飛んでいく将来が安心・安全であることを乗客に示すことです。
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