ボランティアなどが自主的に立ち上げ、低価格で食事を提供する「こども食堂」。南区でも弘明寺や南太田などでスタートする中、孤食や貧困問題と向き合い、食を通じた居場所を作る市内各地の取り組み、課題を追った。
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4月、こども食堂の実践団体や立ち上げ準備中の団体などが集まり、「横浜こども食堂ネットワーク準備会」が開かれた。参加者からは「食堂を開く場所を探している」「子どもたちに来てもらうにはどうしたら良いか」などの意見が挙がり、互いの状況を確認し合った。
準備会有志メンバーの一人、「子どもの未来サポートオフィス」代表の米田佐知子さんは市内の動きについて、「(こども食堂を)やりたいという人は多く、機運は高まっていると感じる」と説明。準備会を行った時点で8団体が運営中、10団体以上が準備中で、数は日々変化しているという。
「関係性の貧困」課題
全体像の把握が難しい理由の一つに、運営形態の多様さがある。「こども食堂」の母体は地域のコミュニティカフェやNPO、企業が運営する場合などさまざま。開設場所やコスト面、飲食を扱う際の許可など抱える課題も多岐に渡る。貧困のイメージが先行することを懸念し、「こども食堂」という名前を避けるケースも実態把握を困難にさせている一因だ。ただ、この多様性は必ずしもマイナスではないという。経済的な貧困が注目されがちだが、「関係性の貧困が今後の課題」と米田さんは指摘する。孤食は、家族や地域の関係性の希薄化も一因とされ、「いろんな人がふらっと来るような場が理想。皆で食事をすることで地域の中につながりができる。多様なタイプのこども食堂があることは、対象を広げ、コミュニティの可能性を開く」と期待を込めた。
市は実態調査段階
市は3月、「横浜市子どもの貧困対策に関する計画」を策定。前記の準備会に参加した市こども青少年局の担当者は「実態調査を進めている段階」と行政としての介入には慎重だが、「本当に必要な人へつなげる手伝いはできるのでは」と話した。南区役所も現状把握に努めている段階だ。
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