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南区版 公開:2016年10月13日 エリアトップへ

現代美術家で「黄金町バザール2016」で作品を展示している 渡辺 篤さん 六ツ川在住 38歳

公開:2016年10月13日

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”新しい美”で心に寄り添う

 〇…金色の絵の具で「心の傷」を文字にしてコンクリートの板に記し、輝きを放つ傷を表現した。展示する40作品の中には「女の子に生まれてしまった」「ファーストキスはイソジンの味」と記されたものもある。展示会場は以前、風俗店が栄えた場所。寄せられた300の投稿の中から、性的なものもあえて作品にした。「会場に来るまでの道や場所など、空間すべてが作品」と自らのアートを語る。

 〇…子どものころから絵を描くこと好きだった。「漠然とイメージする美術家に少しでも近づこうとした」と美大出身の教諭から指導を受けた影響もあり、中学時に美術家を意識する。4年浪人し、東京藝大へ。結果を出す同期作家への羨望、プレッシャーなどのストレスで20代から30代にうつ病、ひきこもりを経験した。「”異質”な存在になって初めて自分を客観視した」。目を背けたくなるトラウマや心の傷を抱える人が世の中に多くいることを、一般社会から離れた場所に身を置くことで知った。

 〇…入院やカウンセリング通院などを経て、4年前から美術家としての活動を再開。現在は六ツ川に自宅兼アトリエを構える。ひきこもりの経験は生み出す作品を変化させた。新興宗教やホームレスなど、社会的には「タブー」とされがちなものをテーマに絵画やインスタレーション作品を生み出すように。社会問題を題材にすることで「あざ笑う人もいればそうじゃない人もいる。『おっかないところ』に飛び込んだと思った」と苦笑。展覧会への出展のほか、個展も行う。

 〇…「海外に出ないと生き残れない」という現代アートの世界。キャリアアップのため、市芸術文化振興財団が行う若手美術家への助成制度を活用し、英語の勉強に励む。「人の心を豊かにする意識が強い」という欧州の芸術。「きれい、汚れている」といった美しさだけではない「輝く心の傷」のような新しいアートを、今後も提案し続ける。

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