南区役所は来日初期の外国人に向け、日本の生活ルールや区の魅力をまとめた外国語の冊子を作成し、9月から配布を始めた。外国人向け情報が体系的にまとまった冊子の作成は市内で初めて。南区の外国人人口は増えており、区は「冊子を読み、生活が楽しくなってもらえれば」と期待する。
作成した冊子「南区生活のしおり」は英語、中国語、ハングル、タガログ語の4言語に対応。いずれもA5判52ページ。前半は南区の人口などの概要や「桜まつり」などのイベント、観光スポットを紹介している。次に住民登録や保険、税金などの行政手続き方法を説明。最後は生活に関する決まりなどを解説した。家を借りる際の注意事項などをイラスト入りで紹介。「大きな声や音を出さない」「勝手にペットを飼わない」といったマナーやルールが記載されている。ほかにも、外国人に理解されづらい町内会の仕組みや災害時の注意点もまとめられた。
これまで、区役所は、ホームページの一部を中国語などで対応してきたほか、ごみの分別方法や町内会の説明について、個別に外国語でチラシを作っていた。今回の冊子は、これらの行政情報に加え、生活に関する情報やルールを体系的にまとめた。南区区政推進課によると、このような情報をまとめた冊子は市内では初めてだという。冊子は転入手続きで区役所戸籍課を訪れた外国人に直接手渡すほか、区ホームページにも掲載する。
寿東部地区モデルに
南区の外国人人口は7月末現在で1万15人。約半数が中国人で韓国、フィリピンの順に多い。外国人人口は市内18区で中区、鶴見区に次いで3番目の多さ。15年7月末の8230人からこの3年間で2割以上増え、1万人を超えた。これは区人口の5%にあたる。
特に中区に近い寿東部地区は外国人住居者の割合が19・9%(2月末時点)と突出して高い。区は17年度から同地区をモデルとし、日本人、外国人がともに暮らしやすいまちづくりを目指す「多文化共生コミュニティづくり」を始めた。外国人の生活を支援する「みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ」=浦舟町=と連携。ラウンジ職員が同地区を回り、外国人居住者のほか、町内会役員らから話を聞き、双方のニーズ把握に努めている。
冊子にはラウンジの活動に協力する日本での生活が長い外国人からのアドバイスを掲載。ラウンジが持つ人脈を駆使し、実用性の高いものにした。
区政推進課は「冊子は外国人の方の生活が楽しくなるような内容にした」と親しみやすさを重視したことを強調。同ラウンジは「今後も外国人を支える取り組みを続け、困りごとを少しでも減らしたい」と話している。
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