第79代南警察署の署長に就任した 阿部 篤さん 大岡在住 59歳
凡事徹底、初心を忘れず
○…3月13日付で、南警察署のトップに就いた。「市民に溶け込み、要望を把握して、警察としての取り組みに活かしていきたい」。署長を務めるのは前任の緑署に続き2度目となるが「初心を忘れず頑張りたい」と話す。好きな言葉は「凡事徹底」。署長は孤独で判断に迷う時もあるというが、迷った時は基本に戻ることをモットーにする。
○…これまで、機動隊、国際捜査課、鑑識課などを歴任したほか、警察学校の教官も務めた。各地に教え子がおり、異動すると当時の教え子に再会することが多い。「活躍している姿が見られて嬉しい」。東日本大震災の時、検視官として被災地に出向き、遺体の身元特定に関わった。朝から晩まで、砂だらけの遺体を一体一体、体をきれいにしながら身元を確認した。「ついさっきまで生きていた表情を見る。何とも言えない気持ちだった」
○…山形県出身。小学生の時はサッカー、中学生から柔道を始める。県大会の上位校で、高校でも柔道を続けインターハイに出場。「練習はきつくて何度もやめようと思ったが、耐えることを学べた」。卒業後は柔道の恩師が警察官だったこともあり、自然と憧れを持っていたため、その道へ。「親戚がいたし、都会でありながら海や山など自然があるイメージ」の横浜へ。以来、横浜に住み続ける。
○…子どもは3人、2人が独立し、孫が2人いる。「今年3人目生まれる予定で楽しみ」と笑顔。南区については「横浜橋や弘明寺の商店街があり、下町で人情味がある」。この地で、「変わったことがあったり、要望や意見も遠慮なく申し出て頂きたいし、行政や学校とも連携してやっていきたい」。定年が近くなり、「警察人生最後となるので、思いを込めてやりたい」と言葉をかみしめるように、静かに力強く語った。
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