3月末までに原案
横浜市は2月、市立中学校で導入している配達弁当「ハマ弁」を学校給食法の「給食」に位置付けていく方針を示した。2021年4月からの実施を視野に、今年度末までに方向性をまとめ、検討を進めていく。
横浜市では長年、家庭弁当が推奨されてきたが、共働き家庭の増加など、生活スタイルの変化に合わせ、市は中学校昼食のあり方を検討。給食室やセンターの建設も検討したが、費用や用地の問題から断念し、「最適な実施方法」として配達弁当「ハマ弁」を16年7月から実施してきた。ただし、学校給食法上の「給食」とは位置付けなかった。
今回の方針転換について市は、同じ配達型で同法上の給食として実施する自治体が増えてきたこと、来年度に事業者との契約更新時期を迎えること、そして、4年間のハマ弁のノウハウを活かせることが理由としている。
献立作成や食材調達
ハマ弁が給食になると、実施主体がこれまでの事業者から横浜市へ移る。献立の作成や食材調達の企画、衛生管理などは市が担うことになる。保護者の負担額は今と同程度を想定しているが、これまで含まれていた事業者の人件費などは市が負担し、全て食材費となるため「食材の国産比率を上げ、美味しさや栄養面を向上させていきたい」と市担当者は話す。ただし、全員喫食ではなく、「家庭弁当」「業者弁当」との選択制で、注文が必要な配達型であることは変わらない。市担当者は小学校のような全員喫食型の給食を望む保護者が多いことも理解しつつ、「実施できる中でのベストな選択肢として、ハマ弁を推進していきたい」とする。
市はハマ弁の課題である喫食率の低さ(目標20%、2月時点で7・3%)を改善するため、今年4月入学の新1年生全員に1カ月間程度、ハマ弁を食べることを推奨する「さくらプログラム」を市内の27校で実施する予定(南区は実施校なし)。
市中学校長会の会長を務める南戸塚中の石黒裕校長は「ハマ弁が給食になることへ全面的に協力したい。地域の業者弁当も含め、家庭にとって一番良い方法を選んでもらえたら」と話した。
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