子どもに防災意識を持ってもらうために、楽しく学べる環境を作ろうと、保育園児に火災予防絵本を読み聞かせるイベント「防災てらこや」が4月20日、横浜橋通商店街で行われた。同商店街が主催し、南消防署などが協力したもの。園児20人が絵本を通して火災の怖さなどを学んだ。商店街や消防署は今後も子どもらが防災を学ぶ場所づくりを進める。
同商店街はこれまでも小学生による火災予防ポスターをアーケードに掲示するなど、子どもの防災意識向上に取り組んできた。商店街の高橋一成理事長が空き店舗を利用した多目的スペースの活用法を考える中で南消防署に相談し、子どもが防災を考えるコミュニティーづくりの話が進んだ。その方向として、人々が集い、交流し、防災を学ぶ場所となる「防災てらこや」の立ち上げを目指すことになった。
まずはテストとして、商店街そばの万世町にある「やすらぎ保育園」の園児に対し、南消防署員が火災予防に関する絵本「みんなの森の仲間とオオカミのサイレン」を読み聞かせた。20日は園児20人を2回に分けて商店街の多目的スペースに招き、絵本をプロジェクターで壁に投影させて話を読み進めた。
絵本読み聞かせ
内容は森で暮らす動物たちを描いたもの。前半はリスの家で火がついたコンロから目を離し、火が家の中に広がったところをゾウらの消防隊が消火する様子を紹介。後半はオオカミが火をつけた木の枝を振り回して森が火事になり、住民の動物たちがバケツリレーで火を消すというもの。園児は絵本を見入るように話を聞いていた。
絵本は新川町に事務所がある株式会社野毛印刷社が横浜市との共創事業として、市消防局の企画・監修を受けて2019年に発行したもの。同社は地域貢献活動を進めており、防災や環境保全、食育を推進する。南区役所に防災の取り組みができないか相談し、同商店街、消防署とのマッチングが図られた。今回、参加した園児には、同社作成のリーフレットが配られ、絵本の感想を保護者と共有する仕組みも取り入れられている。
まちづくりへ
商店街と消防署は今後、小学校や外国にルーツのある子どもたちにも対象広げ、防災を軸にしたまちづくりつなげたい意向だ。高橋理事長は「子どもが防災に関心を持ってもらう取り組みを続けたい」としている。
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