市立蒔田中学校(熊切隆校長)で5月20日、SNSの使い方や危険性を考える授業が行われた。1年生約150人が慶應義塾大学でサイバー犯罪を学ぶ学生から話を聞き、LINEやインスタグラムの投稿の注意点などについて考えた。同校は、今では子どもにも欠かせない存在となったスマートフォンの使い方を継続して考えていきたいとしている。
スマートフォンの普及が児童・生徒にも進む中、小中学校でも使い方を学んだり、考える授業が行われている。
同校はこれまで、南警察署の署員らからスマホの使用法などを学んできたが、今回は県警と連携し、慶大総合政策学部の小笠原和美教授のゼミ生でサイバー犯罪を学びながら、スマホやSNSの使い方を学校で講義している学生が講師を務めた。
講義は1年生の4クラスごとに実施。例として、クラス全員で作ったグループLINE内でトラブルが起きたことを想定し、その防止策などを考えた。
トラブルを例に
グループLINEは登録されたメンバー全員が書き込み、閲覧できるもの。例では、メンバーのAさんがBさんが寝ている写真を無断で投稿し、Cさんがそれを嘲笑する書き込みをした。BさんはCさんにLINE上で抗議すると、グループから退会させられ、Bさんはそれをきっかけに登校できなくなった。さらに、AさんとCさんの2人がBさんをいじめたという話が校内で広まり、その2人も居場所を失う--というのものだった。この想定を基に、何がいけなったのか、どうすれば防げたのかを話し合った。
生徒からは「寝ている姿を無断で撮影するのは良くない」「気に入らない意見があるからといって退会させるのは間違い」などの意見とともに、「投稿を見ていたけど、何も助けに入らず、見ていただけのほかのクラスメートもいけない」などの声が出た。
ほかにも、インスタグラムの投稿例から、写っている駅や建物などの情報で容易に住居や学校が知られてしまうことも紹介された。
実名投稿の実態も
今回の授業のために同校が行ったアンケートによると、1年生のスマホ所持率は約84%。そのうち95%がLINEを使っている。また、31人が実名のアカウントでSNSを使っていることが分かった。これらの結果を受けて、慶大生は「自分のSNS投稿に個人を特定する情報が含まれていないか、見直してほしい」と呼び掛けた。
同校は校内へのスマホ持ち込みは禁止。ただ、生徒が友人とLINEなどのやり取りを深夜まで続けているという保護者からの声も寄せられている。熊切隆校長は「こうした講座を定期的に開きたい。保護者の方も考えるきっかけにしてもらえれば」と話していた。
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