横浜市はウクライナ支援を継続するため、6月補正で予算を計上した。行政と民間などが連携し、一時滞在施設や市営住宅、家具・家電を提供する「オール横浜支援パッケージ」を通年で実施するほか、現地のインフラ整備につながる措置の支援、姉妹都市からの青少年受け入れなど、幅広く支援を進める。
今年2月に突如として始まったロシアのウクライナ侵攻。横浜市では3月に避難民支援相談窓口と対策チームを設置、4月には独自の支援パッケージを開始するなど、取組を強化してきた。
今回の補正予算はこれらを継続するもので、1億5300万円を計上。具体的にはホテルの一時滞在施設宿泊費用や、市営住宅入居時の家具・家電整備費、交流スペースの運営費など助成する。新規事業として、1965年から市の姉妹都市として交流を続けてきたオデーサ市から、過去に交流した柔道クラブの小〜高校生とコーチの計14人を7月18日から8月下旬まで受け入れる。
併せて現地支援事業にも着手。補正予算より前の取り組みとして、侵攻で水道施設の機能停止リスクがあるオデーサ市に対し、10万人分の飲料水が確保できる移動式浄水装置33台などを渡した。この中には、井土ケ谷中町の日本濾水機工業株式会社が製造・販売した3台も含まれている。7月11日に市幹部がポーランドでオデーサ市の副市長と面会し、浄水装置の目録を手渡した。今後、オデーサ市に届く予定。市によると、日本の自治体がインフラ分野で支援するのは初めてだという。
避難民交流の場
6月25日時点でウクライナ避難民は44組76人。補正予算でも計上した、西区の「横浜国際協力センター」内に設けた避難民にホスピタリティを提供するウクライナ交流カフェには、4月の開所以来、常時5〜6人が来場する。7月1日の七夕がテーマの日本語ワークショップには14人が参加。19歳の避難民女性は「1カ月前から週に2、3回は来て日本語の勉強をしている。日本にこのような場所があるとは思わなかった。ウクライナ語も飛び交っていて、すごくいい」と話す。施設担当者は「肌感覚でも必要性を感じている。一過性のものではなく、継続的な支援も大事」と強調する。
また、市は企業と連携して必要な家電、生活用品などの支援を続ける。4月から6月に行った募金は約1234万円が集まった。避難民の生活支援などに充てられる。
独自に大学で
市内では独自に支援する動きも広まっている。フェリス女学院大学=泉、中区=は教育理念の「他者のために」が実践できるとして、6月に2人の避難民学生の受け入れを発表。担当者は「機動力のある手厚い支援をしていきたい」と話す。
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