横浜で暮らす外国につながる20代から30代の女性に仕事や生活についてインタビュー調査した結果をもとに、地域でできることを考えるイベントが10月8日にフォーラム南太田で行われた。この中で外国につながる人の生活上の困難などが紹介され、支援者から継続的なサポートの必要性が語られた。
フォーラムが調査
フォーラム南太田は昨年、10代までに親とともに横浜で定住を始めた中国、韓国、フィリピン、タイ、ベトナム、ペルーにつながる「第二世代」と呼ぶ20代から30代の女性11人に仕事や暮らしの状況についてインタビューを実施。日本で感じた言葉や地域社会、情報取得などの壁、日本人から注がれる視線、アイデンティティーの葛藤などに対する思いや苦悩を率直な言葉で聞き取った。
インタビューでは、「思春期に来日し、学校の授業が理解できず、気後れや孤立感を覚えた」「学校や地域で差別を受け、偏見や理解のなさに傷ついた」「年金や受験などの情報が少なく、進路や就業に不利になっている」などの困難が語られた。
報告書には、課題を解決する一助となる相談の場に関して「目的に沿った相談の場とともに、当事者の先輩、後輩が支え合う『居場所』が必要」と記し、地域を含めた支援の必要性が示された。
自己肯定感高める
8日のイベントには約40人が集まり、調査結果の概要が報告された後、中区にある「なか国際交流ラウンジ」の中村暁晶(あき)館長が外国人を支援する中で感じたことを述べた。中村館長は「第二世代は自分の意志で日本に来たわけではない」とした上で「自分のルーツに自信を持てず、アイデンティティーを確立できていないことが多い」と指摘。同ラウンジでは「自己肯定感を高めることに着目した関わり方を意識している」と語った。
イベントには県内で外国人を支援している人も参加し、韓国から来日して35年の女性は「社会が変わらなければ、外国人も認められない」と訴えた。ほかにも、支援者から「学校で使われる学習言語が難しい」などの声が聞かれた。
この日登壇したライターで移民や難民支援に携わる望月優大(ひろき)さんは「対象を二世(第二世代)に絞った今回の調査が意義がある」とし、「二世が抱える困難は一世への支援が不在だったことのツケ」と語り、調査などで実態を把握し、それを政治の現場で政策に結び付けていくことが大事だとした。
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