市立日枝小学校(加藤智敏校長)の6年生が総合学習の取組として同校図書室隣にウッドデッキを中心としたテラスを作った。製作には近隣にある建設会社「小俣組」(小俣順一社長)が中心なって協力し、廃材を活用して進めた。12月に完成を記念した集会があり、児童と施工に携わった企業らがともに新しい空間の誕生を祝った。
取組を進めたのは6年2組。児童は総合学習の授業で、図書室と給食調理室の間にある「竹の庭」と呼ばれる場所に着目し、ここを使って何かできないかと考えた。
同校近くの新川町にある「小俣組」に相談し、5月には同社の小俣順一社長(当時副社長)が6年2組を訪れて児童と意見を交換。児童からは「児童だけでなく、まちの人にも使える場にしたい」「みんながくつろげる場所が良い」などの意見が出る中、小俣社長は「竹の庭をどんな空間にしたいのか、具体的に考えよう」と呼び掛け、ウッドデッキを作る案が出た。それを具体化させ、「TTC(竹の庭テラスコミュニケーション)」プロジェクトとして進めることになった。
廃材でウッドデッキ
児童はテラスのイメージを膨らませながら、設計図を作って同社に提出し、実際の建設現場で使用する本格的な設計図面を制作して10月から工事が始まった。同社は業務で関係のある材木店や塗装店などに協力を依頼。ウッドデッキに使う材木は廃材を活用するなど、同校が進めるSDGsの取組も意識した。児童は釘の打ち方や塗料の塗り方を職人から教わりながら、共同で進めた。デッキは11月末に完成。机やいすも作られた。
完成を祝う「ありがとうパーティー」が12月20日に開かれ、同社のほか、施工に携わった永田塗装、アイホーム、コマツ、津ノ国屋材木店、清進電設の関係者が招かれ、児童から感謝状が手渡された。児童は「みなさんのおかげで素敵なテラスになりました」と感謝の言葉を伝えた。小俣社長は「仲間と力を合わせればこれだけのことができる」と語り、永田塗装の永田宜久社長は「社員もみんなと仲良くなれて、輪になって一つのものが作れた」と児童に語りかけた。
担任の谷川知栄子教諭は「多くの協力を得たことで、児童はよりまちに愛着を持ち、視野が広がった」と話した。今後、テラスにライトなどを取り付ける工事が行われ、授業の中でも使えるようにしたいという。
小俣組100年で地域貢献
小俣組は昨年8月に創業100周年を迎えた。今回の企画はそれを記念する社会貢献活動として取り組んだもの。9月に就任した小俣順一社長は「この6年生が卒業後も日枝小に来てくれるようになってくれれば嬉しい」と話し、今後も地域貢献活動を続けたいとしていた。
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