吉野町在住の大衆文化評論家・指田文夫さんが横浜市職員時代に企画した1990年代の音楽イベントについてまとめた著書「WOMAD(ウォーマッド)横浜――歴史から消えた日本のビッグ・フェスティバル」を出版した。
「WOMAD」は英国発のポピュラー音楽フェスティバル。指田さんは87年に横浜市から株式会社横浜国際平和会議場に出向し、後に「パシフィコ横浜」と名付けられるコンベンション施設の開設準備に携わる。その中で施設のオープニングイベントを担当することになり、横浜でのWOMAD開催を考えた。演出家や音楽評論家の協力を得て、パシフィコのオープン翌月の91年8月に臨港パークで3日間「WOMAD横浜」を開いた。米国やロシア、インド、ジャマイカなど、世界各国のアーティストが出演。日本からも坂本龍一さんや都はるみさんが出るなど、多彩な顔ぶれのイベントとなった。
指田さんは第1回開催の前に出向先から市に戻ったが、96年まで毎年行われたWOMADの開催に携わった。本には、イベント開催へ向けて各所と交渉を重ねた様子だけではなく、パシフィコの開業へ向けた苦労も綴られている。
「フジロック」の前に
指田さんは「WOMAD横浜は日本のポピュラー音楽フェスティバルの実質的な原点」と97年にスタートした「フジロックフェスティバル」の前に大規模な野外音楽イベントがあったことを記録したかったという。
現在は映画批評などを行う指田さんは当時を振り返り「市職員として新規事業をやろうという思いがあった。若い人にも挑戦してほしい」と話す。ネット書店でも取扱中。問い合わせは発行元のPヴァイン【電話】03・5784・1255。
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