地震などの災害時にボランティアの受け入れ、派遣を行う団体「南区災害ボランティアネットワーク」による運営のシュミレーション訓練が2月2日、吉野町市民プラザで行われた。ボランティアの登録や要望の収集、派遣までを想定して行った。団体からは受け入れ側の人手不足を危惧する声もあり、体制強化が課題として浮き彫りになった。
南区では2006年、区役所、区社会福祉協議会、ボランティア連絡会、障害児者団体連絡会、みなみ市民活動センター(現みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ)の5団体で「南区災害救援ボランティアネットワーク」を設立した。
当初は、災害時に備え、団体間の連携強化を中心に活動していたが、東日本大震災を受け、目的を災害時の支援体制構築に変更した。11年から、災害時にボランティアセンター機能を担えるような訓練、研修を開始。19年に名称を「南区災害ボランティアネットワーク」に変更した。
ボランティアセンターは、大規模災害を受け、区役所が設置する災害対策本部が社会福祉協議会に要請して開設されるもの。同ネットワークなどが協力し、ボランティア希望者の受け入れや被災者の要望収集、調整を行うことになっている。
吉野町に開設想定
訓練はセンターの設置候補地である同プラザで行い、同ネットワークのメンバーや事務局となる区社会福祉協議会、区役所などから約40人が参加。同センターでの訓練は昨年に続いて2回目。
センターを訪れたボランティア希望者がスマートフォンで氏名や連絡先などの情報を入力。その後、無線を使って集められた情報を整理。家の中の泥出しや地域防災拠点のトイレ清掃などの要望をボランティアに振り分け、必要資材を確認し、派遣先へ送り出すまでをシュミレーションした。
メンバー人手不足
一般的にボランティアセンターは発災から1週間〜10日後をめどに開設される。能登半島地震でも各地に設けられているが、運営には他県から応援スタッフが入っていることがほとんど。同ネットワーク代表の高松清美さんは「ネットワークのメンバーは約20人で高齢化も進んでいる」とし、安定的に運営するには人手が足りないという。さらに「関東で震災が起きれば周辺も被災しており、応援は期待できない」と受け入れ体制の強化が課題だとした。
センターの存在を知ってもらうことも以前からの課題。高松さんらは、地域防災拠点の訓練に参加し、ネットワークやセンターの役割を説明している。訓練で見えた課題を整理し、今後の運営に生かしていく方針だ。
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