横浜市は、子育てに関連する行政手続きの負担を減らそうと、スマートフォンで手続きできるアプリを6月末に配信する。アプリには母子健康手帳の機能が搭載されるなど、デジタル化による利便性の向上が期待できる。
市は2022年、デジタル技術を用いて様々な社会課題を解決し、新たな価値を生み出す方針「横浜DX戦略」を策定。「子育てしたいまち」を掲げ、デジタル化を進めている。
妊娠や出産などの子育てに関連する行政手続きは一般的に、書類を整えて、区役所の窓口に出向いて行う。だが、時間などに余裕がなく、負担になる人もいる。市によると、提出された書類の確認で、職員が提出者に電話を掛けても出ない場合が多く、行政側の負担も大きいという。市は「横浜DX戦略」などに紐付け、スマホで手続きができるアプリ「子育て応援サイト・アプリ(仮称)」の運用を決めた。
必要に応じた情報を
同アプリはデロイトトーマツコンサルティング合同会社=東京都=が開発。6月末に各アプリストアからダウンロード可能。ウェブサイトとして、ブラウザからも見られる。利用者が氏名、住所、メールアドレス、子どもの生年月日(年齢)などを登録すると、小児医療費助成などの手続きをスマホで完結できるほか、母子健康手帳に記録した子どもの情報をいつでも、どこでもパートナーと共有できる。24年度に始める方針の出産費用助成事業も申請できるようにする。
そのほか、子どもの年齢に応じた必要な情報を発信。予防接種などの予定をカレンダーにして、数日前に通知する機能なども搭載されている。公園や子育て支援施設などの情報も調べられる。
6月末の運用では、妊娠〜出産前後までに関する手続きのみとなるが、24年度内に未就学児(0歳〜6歳児)、25年度以降は学齢期(小〜中学生)に関する手続きが完結できる機能を追加する予定。市の担当者は「利用者のニーズに可能な限り応えられるよう、運用後は課題点と向き合い、行政側の押し付けにならないように情報発信を行いたい」と話す。
南区地域子育て支援拠点「はぐはぐの樹(き)」を運営するNPO法人「さくらザウルス」の横田美和子理事長は「アプリで手続きが便利になれば、入口が広くなり、支援のニーズも多様化する。それに応えられるようにすることが大切」とアプリ導入で解決する課題は限定的だとした。
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