秋の叙勲「旭日小綬章」を受章した 白川 隆幸さん 庚台在住 70歳
柔らかい物腰で信頼築く
○…長年にわたる塗装業界への貢献が認められ、専門工事業振興功労者として勲章を手にした。「周りの方の力があったからこそ。皆さんのおかげ」と、受章の喜びを笑顔で語る。その周囲の人々を立てる謙虚な姿勢に、人としての懐の深さを感じさせる。
○…大学を卒業後、当時暮らしていた栃木県で一度は公務員に。約5年間務めた後、親戚同士の縁が重なって南区の塗装会社に入社した。まったく畑違いの業種への転身だったが、当初から取締役として会社の舵取り役を担うことに。塗装業の経験がなく、職人たちの信頼をなかなか得ることができなかったが「やると決めた以上はやろう」という強い信念で積極的なコミュニケーションを図った。塗装技術と知識の向上のため、専門家を招いて使用する材料などの勉強会を実施。仕事の後には、職人たちを飲みに誘って本音を語り合うなど、小さな積み重ねが信頼関係を生み、徐々にその距離は縮まった。
○…会社の代表に就任後、業界発展のため団体活動に参画。2千社以上の企業で構成される業界唯一の全国団体「日本塗装工業会」では理事、副会長などを歴任。2008年には会長に就任し、全国を飛び回って団体の会員たちとともに技術や経営、環境面などの発展に尽力してきた。「団体は会員がいてこその組織。相手の立場に立つことが大事」。塗装・建設業界の功労者として多くの勲章を手にしながら物腰は柔らかく、常に平等な目線で人と接することを忘れない。
○…塗装業を営む夫婦が集まる「四季の会」を25年前に自ら創設。趣味は「人と交流すること」と話す通り、年に数回集まる機会を設け、幅広い世代と交流を重ねる。現在会社では会長に、日本塗装工業会では相談役として第一線は退いており「人が変わる時こそ物事が変化する最大のチャンス。これからを担う人に預けたい」と次世代の活躍を静かに見守っている。
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