ノンフィクション作家として活躍する 小松 成美さん 西谷町在住 51歳
生涯、書きつづける
○…スポーツ、芸能など各界著名人の心情深くまで迫ったノンフィクションを数多く執筆。現在も書籍や雑誌の連載等、精力的に活動を続けている。
○…区内西谷で生まれ育つ。マスコミに興味を持ち、20代から広告代理店やテレビ局で勤務するが、当時は女性が男性と同等に仕事をするのが難しい時代。思い悩んだ末にメニエル病を発症するなど、自身の生き方について模索する中で「好きなことで、生涯できる仕事」であるライターになることを決意する。テレビ局時代の伝で担当できることになった初めての雑誌連載では、編集者に何度も原稿を直され「泣きながら書いてましたよ。でも大好きだから苦しくなかった」と振り返る。その後、スポーツ誌で連載を書くチャンスを掴んだのを機に、子どもの頃から大好きだったスポーツノンフィクションの道を拓くことになる。
○…これまで中田英寿選手、故・中村勘三郎氏など、数々の人物ルポルタージュを手がけてきた。「どんな方にも胸に秘めている思いがある。それを話してくださった時には身震いがするし、読者の方に伝えなければと思う」とやりがいを語る。取材の際に心がけているのは「スポーツならスタンドから、芸能なら客席から見る視点」。実績を重ね有名ライターとなってからも、観客と同じ目線を忘れないからこそ、多くの読者の心を掴むのかもしれない。
○…「やりたいことを仕事にしようと踏み切ったささやかな勇気と、自分に機会を与えて下さった人との出会いが、今の私をつくっている」。チャンスをもらった恩返しを、と考えるうち、故郷の保土ケ谷や横浜のためにできることを模索するように。将来は故郷を題材にしたノンフィクションを書くつもりだ。「書くことは生涯の仕事。この仕事に出会えて本当によかった」。そう話す笑顔には、未経験から夢に挑んだ20代の頃と変わらない情熱があふれている。
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