全国初の誇り胸に 横浜レンジャーが50周年 人命救助の最前線で活動
横浜市消防局には、消防隊と救急隊のほか、事故や災害時の人命救助を専門とする救助隊がある。今ではどの自治体にもある救助隊だが、50年前に全国に先駆けて発足したのは横浜市だった。
昭和30年代は高度経済成長期であり、間近に迫った東京オリンピックに向け、インフラ整備が急速に進められた。その半面、災害は多様化し増加傾向にあり、人命救助の技術も必要に。そこで消防局は、米軍で使われていた最新機材を導入し、1963年には10人の職員が陸上自衛隊富士学校滝が原駐屯地レンジャー教育隊に1週間入校し、人命救助の知識と技術を学んだ。一般的な救助隊がレスキュー隊と言われているのに対し、横浜市が「レンジャー」と呼んでいるのはそこに由来がある。翌年22人の職員で全国初の救助隊が誕生した。
現在は、保土ケ谷の西谷特別救助隊をはじめ18区すべてに配置し、322人が所属している。また、複雑化する災害に対応するため2009年には特別高度救助部隊が編成された。
不撓不屈の精神
「どんな困難な場面でも屈しないレンジャー精神は、先輩たちから受けついできたもの。これを大切に受けついでいきたい」と話すのは、特別高度救助部隊の佐久間栄吉担当係長。また、激しい気象の変化による大規模災害、戦後に整備されたインフラの老朽化など、時代の変化に対応した技術の必要性も唱える。「救助隊を発足させたときは、試行錯誤の連続で、知恵と勇気を振り絞って乗り越えたはず。時代に伴って災害も変化するが、新たな分野にも果敢に挑戦していきたい」と思いを語った。
50周年ブースも
9月20日(土)に沢渡中央公園と横浜市民防災センターで開催される「2014消防フェア」では、救助隊発足50周年記念ブースを設置。レンジャー体験や音楽隊の演奏なども企画されている。
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