保土ケ谷区 人物風土記
公開日:2014.10.16
保土ケ谷公園「ギャラリーコーエン」で10月30日まで個展を行っている写真家
藤間 久子さん
中区在住
情緒に訴える一枚、後世に
○…相鉄線の乗客にとって小冊子「瓦版」は車内でのお楽しみの一つ。自身が担当する連載欄で、普段何気ない風景を切り取り沿線の魅力を伝えてきた。「『こんな所があったのか』と、驚かれる事も多いですね」と嬉しそうな笑顔を見せる。
○…下校中の小学生や、神社の境内で佇むお年寄り、健気に咲いている花々など-。今回の個展では相鉄沿線や周辺スポットに焦点を当て、3年近く撮影してきた作品のうち35点が会場を飾る。自身、移動手段として相鉄線を利用する機会は少なかったが、今ではすっかり地元通といった様子。今後は沿線在住の人物をメーンに据え、表情などから街の魅力を伝える方向にシフトしていきたい、と構想を語る姿に、積み重ねてきた自信が感じられた。
○…出版会社勤務を経て30代で写真家に転身した異色の経歴の持ち主。フォトスタジオで著名なカメラマンに師事して腕を磨き、基礎をみっちり叩き込まれた。年齢を明かさないのも師匠からの教えの一つで、業界入りが遅く”年下の先輩”が多い中で、円滑な上下関係を維持する上で大切な事だったのだとか。それでも下積み時代は「カメラや三脚で殴られることもしばしば」で、撮影のために突然、真夜中に呼び出される事も。「始めの3年くらいは寝食を忘れるくらい仕事に没頭しましたね」とサラリと振り返るが、プロとしての素養と根性を身に付けるため日々、相当苦労してきたことは想像に難くない。
○…大の本好きで、写真に添える文章も自分で作り上げるのが特長的なスタイル。趣味である旅行や散歩の時はカメラを持たず、あえて「記憶」に残す。酒に酔った時にふと浮かんだ「良い作品のヒント」も然り。こうした記憶を凝縮したものが、自身の作品イメージを下支えしている。「大切なのは技術より訴える力だと思うんですよ」。人々の情緒を揺り動かすような一枚を後世に残すべく、今日もファインダーを覗きこむ。
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