横浜国立大学の学生を中心としたグループが、インターネットを通じて出資者を集う仕組み「クラウドファンディング」(CF)を使い、南米・パラグアイ共和国で進めている学校建設に必要な資金90万円を集める運動を展開している。8月1日時点で33人がこの動きに賛同し、51万4千円が集まっている。資金協力の受付は8月24日午後11時まで。
パラグアイの首都アスンシオンから車で2時間の所にあるカアグアス県コロネル・オビエド市域メルセデス地区。ここが国大生らが学校建設を進める町だ。
支援活動を展開するのは同大大学院教授の藤掛洋子氏が代表理事を務め、1995年から同国の非日系農村部に暮らす子どもたちを支援するNPO法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金。この学生部に属する15人が中心となり、協力を呼びかけている。
資材高騰などで無念の工事中断
同基金ではこれまで幼稚園1舎と小学校3校を建設してきた。昨年10月からは新たな小学校の建設を開始。年内の竣工を予定していたが、建設資材の高騰や為替の変動、長雨などもあり、準備していた資金が底をつき、外壁のレンガを積み上げた所で中断を余儀なくされた。
メルセデス地区は夏場、40度を超える暑さとなる。室内の温度は50度を上回り、屋根のない教室は勉強できる環境とはいえない。建設が中断した校舎を完成させるには屋根を設置し、タイルを敷き、扇風機や黒板を設置する必要がある。
目標額は90万円
校舎完成に必要な資金を調達するため、学生らが中心となりCFでの呼びかけを6月20日から開始。メンバー個々が友人、知人を通じ声をかけるなど、地道な活動をつづけ、スタートから1カ月余りで目標額の90万円の半額に到達した。
CFでは事前に設定した目標金額に1円でも満たなかった場合、賛同者に返金される仕組みとなっている。今プロジェクトで中心的役割を果たしている久喜淳史さん(20)は「パラグアイの子どもたちと接する中で、彼らが夢を抱いている姿を数多くみる。その夢をかなえる一歩が教育だと考えている。多くの方々にご賛同いただき、ご協力いただければ」と話している。
今回のCFは購入型で3千円から10万円までの支援コースが用意されている(【URL】https://readyfor.jp/projects/mitaimitakunai参照)。購入額(支援額)により伝統工芸品や衣装などが贈られる。問合せは広報担当・齋藤さん【携帯電話】090・3591・1080へ。
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