南米パラグアイの首都・アスンシオンから車で数十分ほどの所に位置する「カテウラ地区」にある同国最大級のゴミ埋め立て地。貧困層が多く暮らすこの地の少年・少女らで組織されたオーケストラ「カテウラリサイクル楽団」が11月9日(金)に岩間市民プラザでコンサートを開く。
ドラム缶やフォークで作られたバイオリンやチェロ。水道管とスプーン、古いコインから作られたフルート。世界中から注目を集めている彼らが音を奏でる楽器は全て廃材から作られている。
12年前、パラグアイ最難関の大学で環境学を学んでいた1人の青年がカテウラを訪れた。昼間から奪い合うようにゴミを集め、負の連鎖から抜け出せずにもがき苦しんでいる子どもたちの姿を目にした青年は、組織的に資源ゴミを集め役所に運ぶことで収益を得るリサイクルシステムを地区内に構築した。
「子どもたちが希望を持って生きられるように」。少年時代からギターを学び、聖歌隊に所属するなど音楽に慣れ親しんできた青年は「音楽の力」で現状を変えようと音楽学校を開校し、カテウラに暮らす子どもたちと共にオーケストラを創設した。しかし楽器を購入する資金などはなく、地区内に溢れるゴミを材料に廃材楽器を作ることを思い付いた。
2014年に楽団のドキュメンタリー映画が公開されると世界各地で反響を呼び、世界ツアーを行うようになり有名アーティストと共演するなど、グローバルに活動する彼らの演奏は貧困のまちを照らす光となった。
当日は午後6時50分から1995年から同国内で支援活動を続けている横浜国立大学の学生らが取り組みを報告した後、8時10分から9時まで「カテウラリサイクル楽団」のメンバーが廃材楽器で奇跡の音を奏でる。入場は無料(スラムの子どもたちの支援のためのチャリティー実施)。
問合せは横浜国立大学藤掛洋子研究室【電話】045・339・4485へ。
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