小学生時代の笹川さん
星川中央公園などを練習拠点とする少年野球チーム「明神台リトルグランパース」出身で、現在は横浜商業高校（Ｙ校）野球部に所属している笹川吉康さんが10月26日に開かれたプロ野球の新人選手選択会議（ドラフト会議）で、福岡ソフトバンクホークスから２位指名を受けた。身長１９３cm・体重86kgと恵まれた体格を生かし高校時代には投手としては１４０キロを超える直球を投げ、打者としては高校通算40本塁打をマークするなどし「二刀流選手」として注目を集めたが、プロでは野手一本で勝負する。
幼少期から運動能力が高く、自宅近くの公園で木の棒を振る姿を目にしたリトルグランパースの関係者からの誘いを受けた笹川さんは小学３年生の頃にチームに入団した。チームの中心選手として活躍し、６年生の頃にはプロ野球・横浜ＤｅＮＡベイスターズが県内の小学生を集めて編成するベイスターズジュニアのセレクションに挑戦。しかし最終選考で落選した経験を持つ。
当時からチームを指揮する瀬戸篤志監督は「何しろ負けず嫌いだった。同学年のライバルと保土ケ谷公園を競うように走っていた姿が印象的で、『努力できること』が彼の最大の長所。ベイジュニアに入れなかったことはその後の努力につながったのでは」と当時を振り返る。
教え子の運命の日、テレビの前で見守ったが中継は終了。しばらくすると知人からの連絡でソフトバンクから２位指名を受けたことを知った。「高評価でびっくりした。監督冥利に尽きる。毎年、九州に行っているが、これからはもう一つ出かける目的が増えた」と喜びを語った。
リトルグランパースを卒団した笹川さんは、数多くのプロ選手を輩出している名門中学硬式野球チーム・中本牧シニアの門を叩きここでも活躍。高校進学時には県外を含めた強豪私学からの誘いもあったが「地元の公立高校で甲子園をめざしたい」とＹ校に進学した。
｢いち早くプロに｣
父・昇一さんによると、高校入学時は身長１８８cm・68kgと細身の体系だったという。昇一さんお手製の肉料理と地道な筋力トレーニングを重ねた成果もあり、２年半で約20kgの増量に成功。夏頃までは大学進学も考えたというが、「いち早くプロの世界に飛び込み活躍したい」とプロ志望届を提出していた。
｢活躍して道標に｣
指名を受け笑みを浮かべた笹川さんはホークスの印象について「育成契約から活躍する選手も多く、レギュラー争いが激しいチーム」と話し、目標とする選手として球界屈指の外野手でチームメイトとなる柳田悠岐選手と、世界記録となる通算本塁打８６８本を記録しホークスの会長を務める王貞治氏の名前を挙げた。また「これから先、プロをめざす地元キッズが増えるよう、自分がきちんと活躍して彼らの道標になりたい」と決意を語った。
球団からは強打に加え50ｍを６秒２で走る走力も高い評価を受けている笹川さんは、プロ入り後は野手に専念し、走・攻・守、三拍子そろった外野手をめざす。
ドラフト指名を受けガッツポーズをとる笹川さん
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