横浜国立大学(梅原出学長)の学生が中心となり2017年から取り組んでいる農業による地域活性化を目的とした地域課題実習「Agridge Project(以下:アグリッジプロジェクト)」で、県西部・小田原市の特産品のひとつ「梅」に焦点をあてた商品開発が進められている。梅酒を作った後の梅の実の多くが利用されず廃棄されている実情を知り、加工品の開発を進め、3月を目途に販売を開始する計画だという。
近年、「フードロス」に対する意識の高まりもあり、「未利用食材」という言葉に注目が集まっている。規格外の青果物や加工食品、未利用魚などが廃棄されている実情があり、アグリッジプロジェクトではこの課題解決へ向け、「未利用食材」を使った商品開発を進めている。
昨年は栽培時に間引きされ、通常は廃棄されてしまう「摘果みかん」を使ったジャムや菓子などを開発。商品の製造を社会福祉法人に委託するなど、持続可能な仕組みの構築にも力を注いでいる。
プロジェクト名の「アグリッジ」は「Agriculture」(農業)と「Bridge」(架け橋)を掛け合わせた造語。プロジェクト創設者のひとりで、大学院生となった現在も商品開発部門のリーダーを務める松本雅裕さんは「日本全国どこの地域でも普遍的な産業でありながら、地域性がある農業という分野をテーマに地域活性させるロールモデルを作ることができれば」と話す。
菓子などに加工3月から販売へ
新たに目を向けたのが梅酒を漬け終わった後の梅の実だ。梅酒を漬ける家庭では、梅の実をジャムや甘露煮にするなど、無駄なく使うことが多い。しかし、家庭とは比べものにならない量を仕込む酒造メーカーなどでは、大量の梅の実が加工されることなく廃棄されている。
この実情を受け、プロジェクトに参加する学生らは「梅の実」を使った商品の開発をスタート。小田原の梅農家から梅酒を漬け終わった後の梅の実を購入し、横浜市内3つの社会福祉法人と共に梅の果肉を使った洋菓子や和菓子などの試作を重ねている。
「未利用食材に付加価値を付けることで、生産者や企業に還元できるようなモデルにできれば。農業の可能性、未来像を示すことができれば」と学生代表の清水翼さんは話す。
梅の実を使った商品は3月を目途に、キャンパス内や地域コミュニティハウスなどで販売を始める予定だという。
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