関東高等学校陸上競技大会への予選を兼ねた神奈川県高等学校総合体育大会がこのほど開かれ、県立保土ケ谷高校陸上部(竹内俊樹顧問=人物風土記で紹介=)が好成績を上げた。男子4×400mリレー・男子5000m競歩・男子400mの3種目で関東大会出場権を獲得。6月17日から20日まで栃木県内で開催される大会へ向けてトレーニングを重ねている。
エースが負傷
陸上競技の花形種目とされる4×400mリレーでは同部初の県大会突破となった。チームは3年生2人と2年生2人で構成。メンバーは「県大会より良いタイムで決勝に進むことが第一目標」と声を揃える。
快挙はアクシデントを乗り越え手にしたものだった。キャプテンでチームのエース・藤原稜大さん(3年)が決勝レース前日の予選で足を負傷。歩くこともままならず、車いすに乗り競技場を後にする姿を目にしたメンバーは「諦める気持ちもあった」という。
翌日の決勝レース、顧問の竹内教諭は走順の変更を決断。藤原さんを4走に据えるオーダーを組み、3人で貯金を作るよう指示した。この戦略が奏功し、3分17秒39でゴール。6位に入りアクシデントを乗り越えながら、初の関東大会出場権を手中に収めた。
チームをけん引する藤原さんは「県大会ではメンバーに助けられた。しっかり調整して、関東大会は自分本来の走りをしてチームの力になる」と力強く抱負を語った。
身近なライバル
5000m競歩では決勝レースに3人がエントリー。このうち守屋海斗さん(2年)が2位、岩下賢弥さん(3年)が3位に入り、それぞれ関東大会に挑む。2人は昨年も関東大会に出場し4位に入った岩下さんは、同校陸上部からは32年ぶりとなるインターハイの舞台で戦った。
常日頃からトレーニングを共にする2人。今回の県大会では岩下さんがレースを引っ張り、後輩の守屋さんが先輩の背を追うレース展開になった。4000mを過ぎるとペースを上げた守屋さんが岩下さんをかわしそのままゴール。
守屋さんは「3位以内が目標だった。関東大会では自己記録の22分05秒を上回る21分台を出してインターハイに行きたい」と話した。一方の岩下さんは「前に出ていくというプラン通りのレースができた。インターハイに出ることが目標。ライバルだが、一緒に全国に行ければ」と先輩として後輩をけん引する覚悟を示した。
父に恩返し
4×400mリレーメンバーの一人でもある猪浦貫太さん(3年)は400mでも6位に入り関東大会出場権を得た。「まずは決勝進出。その上でインターハイ出場をめざす」と意気込む。
県大会決勝のレースでは49秒07で自己ベストを更新。3年生になった春先のベストタイムから2秒近く縮めたことになる。4月中旬に父親から「最終学年だから、やれることは全部やろう」と背中を押され、これまで履き慣れたスパイクを変えることを決断。「前へ進む感覚が違った」と新たな相棒に手応えを得て大会に臨んでいた。「関東大会出場ではなく、関東大会でいい成績を残すことが本当の意味での恩返し。決勝に出て走る姿を見せたい」と話す。
生徒の努力の結晶
2018年に同校に赴任し陸上部の顧問に就いて以来、毎年、関東大会出場選手を育てている顧問の竹内教諭は「生徒の努力の結晶。生徒を預けてくれた保護者、中学時代の顧問の先生、協力してくださる保土ケ谷高校の先生方など、多くの人の支えがあってこその結果。関東大会も期待に応えられるよう準備をしていきたい」と意気込みを語った。関東大会は6月17日(金)から20日(月)にかけて栃木県宇都宮市の「カンセキスタジアムとちぎ」で開かれる。
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