コロナ禍で実施が見送られていたさまざまな社会活動が再開される動きを見せる中、西谷中学校(飯島敏明校長)では6月上旬に実施された修学旅行で、関西方面へ向かう新幹線へ向けて校舎の屋上に「いってらっしゃい」と記された横断幕を掲げ、在校生が旗を振りながら3年生の先輩を見送る伝統行事が復活した。
帷子川沿いの小高い丘の上に建つ同校からは西側に東海道新幹線の線路を望むことができる。線路から学校までの距離は350メートルほどで、修学旅行の際には関西方面に向かう3年生らが乗車している新幹線を在校生が、校舎の屋上から見送ることが数十年つづく伝統的な行事となっている。
関西方面への修学旅行はコロナ禍でここ2年、中止となっていたが、今年度は感染状況を見ながら実施する方向で準備が進められていた。
新横浜駅を出発した新幹線は3分ほどで西谷中学校を左手に望む地点を通過する。この日、屋上には在校生が力強い文字で「いってらっしゃい」と記された横断幕を掲揚。手には体育祭で使った応援旗を持ち、その時を待った。
その間、数秒
午前8時5分過ぎに、3年生およそ200人を乗せた新幹線が予定通り姿を見せると屋上でその瞬間を待っていた在校生は大きく旗を振り、中学生生活のハイライトともいえる修学旅行に出掛ける先輩を見送った。一方、後輩の見送りを受けた車内で3年生は学校が見える南面の窓側に集まり、風にはためく横断幕や旗を見つけて歓声を上げていたという。
猛スピードの新幹線が通過し終えるまでの時間は数秒だったが、コロナ禍で途絶えていた西谷中学校の伝統が復活した瞬間だった。
3年前に同校に赴任して以来、初めてこの風景を新幹線の車内から見守った飯島校長は「3年生がこの瞬間を感動的に写真に収めていた。中学校生活の良い思い出ができ、在校生や先生方がこの一瞬のために準備してくれたことに、とても感謝している」と話した。
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