昨年11月、横浜に住む親類の下に避難するためウクライナから来日したヤロスラフ・シュトンダさん=左写真。プロサッカー選手をめざす19歳は周囲の厚いサポートを受け、12月から横浜FCユースの練習に参加。川島町のグラウンドで汗を流している。
それまで所属していたチームのグラウンドはロシアの攻撃により破壊され、練習もできない状態。「両親はウクライナに残り、危険が続いている。私は安全な日本でサッカーができて感謝しかない。家族のためにもがんばる」。穏やかな口調の中に強い意志をにじませる。
3月1日には横浜FCトップチームの練習にも初めて参加。元日本代表・中村俊輔コーチからのシュートを受ける経験に「ナカムラさんは日本のレジェンド。うれしい気持ちでボールを受けました」と笑顔を見せる。
ウクライナ北東部に位置するハルキウの出身。7歳からサッカーを始め、自国では体育大学に籍を置きつつ名門チームでプレーしていた。ポジションはゴールキーパー。身長185cm、長い手足の恵まれた体格でゴールを守る。「キーパーは試合の全体像が見え、チームメイトに指示を送るのも大切な役割。いま、日本語を学んでいます」とはにかむ。
日本での食事にも馴染み「ラーメンが抜群にうまい」。一方で母親のボルシチやピロシキも恋しい。「楽しかった家族との普通の日々を戦争が壊した。知人も亡くなっている。一日も早い平和を」と訴える。
将来の目標はJ1で活躍すること。その先にある大きな夢が、ウクライナ代表としてのワールドカップ出場だ。「これからも日本に残って、プレーを続けていく。私にとってサッカーは命」。青空をめがけて羽ばたく鳥のように、大きな可能性を秘めた若者がここにいる。
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