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保土ケ谷区版 公開:2023年4月27日 エリアトップへ

「救急の連鎖」で命救う 温浴施設職員が適切処置

社会

公開:2023年4月27日

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表彰対象者を代表し堀田消防署長から感謝状を受け取る三村支配人(写真右)
表彰対象者を代表し堀田消防署長から感謝状を受け取る三村支配人(写真右)

 温浴施設内で心肺停止状態に陥った傷病者に対し、的確な救命措置を施したとして、保土ケ谷消防署(堀田廣公署長)は4月20日、相鉄線上星川駅前の「天然温泉満天の湯」で働く支配人の三村安宏さん(42)・原和成さん(48)・木村太さん(45)・岩崎浩明さん(51)の4人に感謝状を贈った。

 今年2月22日午後9時ごろ、従業員が浴室内の洗い場で前のめりになり倒れ込む男性客を発見した。男性客は呼びかけに反応せず、呼吸も確認できない状態だったため、三村支配人は胸骨圧迫をすぐに開始。同時に周囲の入浴客に声を掛け、従業員へ状況伝達を依頼し、119番通報とAEDを届けるよう指示した。

 来店客としてその場に居合わせた救急救命士の協力も得ながらAED(自動体外式除細動器)を装着し除細動を実施。胸骨圧迫をつづけ、到着した消防隊職員に引き継いだ。男性客は搬送中の救急車内で自己心拍を再開。その後、順調に回復し社会復帰したという。

年に1度の講習が奏功

 同施設では年に1度、AEDの使用法や心肺蘇生法などを学ぶ講習会を実施しているという。今回はその知識が一命を取り留めた形だ。堀田署長は「とっさに対応するのは難しいこと。救命の連鎖で救急隊に引き継いでいただきありがたい」と話し、この日の表彰式で救命活動に携わった職員を代表する形で感謝状を受け取った三村支配人は「救命講習が役立ち、1人のお客様が無事に社会復帰されたことが嬉しい」と話した。

典型的なヒートショック

 今回、一命を取り留めた男性客は急激な温度差で体調不良を引き起こす典型的な「ヒートショック」の状態だった。同施設では冬場、脱衣所を温めるなど対応をしているほか、浴室をスタッフが巡回し体調が優れなそうな入浴客には声を掛けるなどし注意を払っているという。

いざの場面に備え

 保土ケ谷消防署では胸骨圧迫やAEDの使用方法、人工呼吸の方法などを学ぶ救命講習を随時実施している。申し込みなど問い合わせは同署予防係【電話】045・342・0119へ。

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