県立保土ケ谷公園内のかながわアートホールを拠点に活動するプロオーケストラ「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」が3月4日、住民の文化芸術振興などを目的とした協定を保土ケ谷区と締結した。同楽団がこうした協定を自治体と交わしたのは初めてのこと。
同楽団は県内唯一のプロオーケストラで、公開リハーサルなどを通じて地域住民と交流を深めている。公募で選ばれた小学4年生から高校3年生を指導する取り組み「神奈川フィル・ジュニアオーケストラ」を2016年度から継続。子どもたちは修了公演に向けた7、8回の練習を経て、団員とともにオーケストラ楽曲を演奏する。
保土ケ谷区は楽団の地域に根差した活動に着目。文化芸術の活性化を図ろうと、楽団に「音楽を通じた魅力あるまちづくり基本協定」の締結を提案し、楽団側がこれに応じた。協定には、楽団と区による連携事業の要綱が盛り込まれている。
中学吹奏楽部と交流も
「次世代育成」が協定のメインテーマの一つ。団員が区内の中学校吹奏楽部を指導して交流を深めるワークショップの開催を予定し、子どもの演奏技術向上を狙う。そのほか、優待価格で区民を招待するコンサートや27年の区制100周年を見据えた事業など、多面的に文化興隆を目指す。
4日に区役所で行われた締結セレモニーには楽団の専務理事を務めている櫻井龍一さん、神部浩区長のほか、区内の中学校を代表して新井中学校吹奏楽部の関係者らが出席。櫻井さんは神部区長と協定書を交わし、「活動の幅を広げ、音楽で地元に貢献したい」とあいさつした。神部区長は「良質な音楽を提供していただき、保土ケ谷が『音楽のまち』と言われるようになるとうれしい」と話し、文化芸術の発展に期待を込める。
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