災害時に介護などが必要な高齢者や障害者ら「災害弱者」を受け入れる「福祉避難所」の開設・受け入れ訓練が3月13日、今井地域ケアプラザで行われた。保土ケ谷区内8つのケアプラザや区社会福祉協議会、区高齢・障害支援課の職員らで組織する地域活動交流コーディネーター連絡会が主催。関係者によるとこれまでは、各ケアプラザなどで訓練が実施されていたが、合同訓練で課題などを共有する形での実施は初めてだという。
発災から13年が経った東日本大震災時には一般避難所での生活が長期化し、高齢者らが体調を崩すケースが問題となった。高齢化が進む地域を直撃した今回の能登半島地震では、福祉避難所となる施設そのものに被害が出ていたり、職員も被災していることもあり、受け入れが難しいケースも多発した。
区内には33カ所
災害対策基本法は支援が必要な高齢者や障害者らを受け入れる「福祉避難所」の設置を自治体に求めている。保土ケ谷区では特別養護老人ホームやケアプラザなど33施設と協定を締結している。
保健師などが判断
大規模災害の際、各小・中学校に地域防災拠点が開設される。要援護者向けの場所が確保されるが、高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児などの中で「特別な配慮が必要で、地域防災拠点での避難生活が難しい」と保健師などの専門職が判断した場合、「福祉避難所」につなげる仕組みだ。
施設やケアプラザ、市や区の職員ら37人が参加したこの日の訓練は、区から福祉避難所の開設要請を受けたとの想定で行われた。参加者はグループに分かれ、段ボールをつなぎ合わせて仕上げるパーテーションを使い、約2m四方の個別空間を製作。途中、エアーマットに空気を入れ過ぎたり、パーテーションの組み立てに時間を要した。
受入スペースを確保すると、避難者の受け入れ対応を確認。地域防災拠点で保健師が「特別な配慮が必要」と判断し、移動してきた避難者にはスムーズに対応したものの、福祉避難所の位置づけを理解していない地域住民への対処などに苦慮する場面も見られた。
認知度15%
参加者の一人は「今回の経験を持ち帰り、職員間で共有したい。福祉避難所に入れる条件を理解していない人が押し寄せることも考えられ、その対応策を考えておくことも必要だと感じた」などと訓練を振り返った。
市が2021年に行った市民アンケートによると、福祉避難所の意味を知っていると答えた人は15・1%にとどまる。圧倒的に認知度が低く、存在を知ってもらうことも大きな課題となる。
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