横浜市は市内に約54万カ所ある下水道マンホール蓋の型式判定、異常判定、劣化予測にAI技術を活用して行った実証実験の結果を発表し、点検作業の時間短縮につながる可能性が得られたと発表した。
実証実験は公募に応じた東日本電信電話株式会社=中区=など民間4社が参加し、2023年8月〜12月に実施。
老朽化によりマンホール蓋に摩耗やガタつきなどが生じると、歩行者の転倒や車両のスリップ事故、台風などの災害時に蓋が吹き飛ぶなどのリスクにつながる。市は毎年約6万カ所のマンホール蓋を職員が確認して交換時期を判断してきたが、目視点検での判断には膨大な労力を要していた。
実験では職員が蓄積してきた過去5年間分、約30万枚の画像を生成AIに学習させ、型式、さびや摩耗などの異常の判定、劣化予測を調査した。
市環境創造局によると、画像による生成AIの判定で、蓋の型式判定は最大10種類、さびや摩耗などの異常判定も可能と判断。年間約6千枚の蓋点検に要する作業時間を、約4千時間から約1千時間に短縮できるとの可能性が得られたという。
効率的に予防保全
また、劣化予測が可能となることで、「危険が発生する前に予防保全措置ができるほか、計画的、効率的に交換作業を進められる」という。これにより、職員の業務効率化が進み、働き方改革にもつなげたい意向だ。
山中竹春市長は「2024年度中にAIによる判定・劣化予測を導入する」とし、今後、実験に参加した4社以外にも技術提供に関して公募する可能性があるとした。
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