地域ボランティアの一環で、介護施設で歌の慰問活動を始めた 渡邉 美貴子さん 東川島町在住
助かった命、誰かのために
○…川島小学校の朗読ボランティアや小学生対象の稲作体験を行っている「ほどがや☆元気村」など、これまでに数多くの地域活動に取り組んできた。書道家の傍ら歌手として活動。「両親の介護が一段落し、また何かしらの形で地域のためになる取り組みを始めようと思った」と強いボランティア精神を見せる。
○…兵庫県出身で阪神甲子園球場の近くで育った。「兄のまね事をする子どもだった」といい、3歳で始めた書道もその一つ。そんな大好きな兄と長男を一度にして奪ったのが阪神・淡路大震災。「家族、家、財産と全てを失った。生きる意味が分からなくなり、本気で自殺を考えた」と当時を振り返る。悲しみのどん底から救ったのが書道の恩師。「せっかく助かった命。世のため、人のために生かしなさい」と背中を押されたのがボランティア精神の原点。「過去の自分のように気持ちが沈んでいる人に夢や希望を与えたい」と思い、2002年に歌手デビューした。「困難を乗り越えれば明るい未来が待っている」をモットーに、魂を込めて歌う。
○…震災経験者として、災害対策の重要性を説く。「災害に対して当事者意識を持つことが大切」ときっぱり。消防団は父親の介護のため退団したが、町内会の防災訓練に参加するほか、自身の著書『明日が好きやねん』に震災の体験談を記すなど、さまざまな形で語り継ぐ。「数千人の犠牲者を出した震災を体験したからこそ、伝えられることがあるはず」と責任感をにじませる。
○…英語検定、宅地建物取引士、保育士などの資格を有し、「友人から『100の資格を持つ女』と呼ばれている」と笑う。持ち前の明るさと行動力を武器に、これからも「世のため、人のため」を体現していく。
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