保土ケ谷小学校の校長で、けん玉を通じた教育などに取り組む 宮生 和郎さん 今井町在住 62歳
努力や挑戦 大きな自信に
○…「校長先生、たくさん練習したよ」―。休み時間の校長室は、けん玉を持った子どもたちでにぎわう。その一方で、公益社団法人日本けん玉協会の規定に則る検定試験が始まると、緊張感が漂う雰囲気にがらりと変わる。「子どもたちは今後の人生において、プレッシャーに打ち勝たなければならない局面に遭遇するはず。その練習にもなれば」と話す。
○…瀬戸ケ谷町で育ち、岩崎小、岩崎中、横浜国立大を卒業した。教員を志したのは高校時代。思春期で何かと反抗的な態度をとる中、親身に意見を聞いてくれた教員に憧れたことがきっかけだという。国大では海洋生物の研究に勤しみ、教員免許を取得。理科教諭として母校の岩崎中などで教鞭をとった。
○…けん玉を教育現場に取り入れるという発想を得たのは20代後半で、瀬谷区の支援学校に勤めていた時のこと。ある医師が学校を訪れ、子どもたちにけん玉を教えるという取り組みからだった。「内気な子どもがけん玉をしている時は自信に満ちあふれた表情に変わった。子どもが努力や挑戦できる環境をつくることも教師の役割だと気付いた」と振り返る。それ以来、着任した学校でけん玉の交流イベントなどを企画し、子どもたちを笑顔にしてきた。
○…保土ケ谷小に通う児童の保護者の中に岩崎中時代の教え子がいるといい、「時の流れを感じる」とほほ笑む。自治会の副会長を務めた経験もあり、「まちのつながりは大切」ときっぱり。児童が宿場まつりでけん玉を披露する機会をつくるなど、地域交流にも目を向ける。自身はけん玉5段の取得に向け、「宇宙一周」など高難易度の技に磨きをかける。努力や挑戦を地道に続け、大きな自信を得ることの大切さを行動で示していく。
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