老朽化が著しい市民病院(保土ケ谷区岡沢町)の再整備事業に取り組んでいる横浜市はこの程、移転の検討が進められてきた三ツ沢公園の計画地を所有する古河電気工業株式会社との間で、覚書を締結したと発表した。これにより今後は、神奈川区と西区に跨る「ニッパツ三ツ沢球技場」の隣接地への移転を基軸とした基本計画(原案)が練られる事となった。
岡沢町にある横浜市民病院は、1960年に開院。病床規模などの拡充を図りつつ、50年以上にわたり市民に高度な医療を提供している。また、県内で唯一の「第一種感染症指定医療機関」として「一種感染症(エボラ出血熱、ペスト等)、二種感染症(ジフテリア、SARS等)の他、新型インフルエンザなどの患者を入院させる機関」として定義づけられており、県内でこうした疾病が発生した場合の患者搬送先としての機能も果たしてきた。
進む老朽化と狭隘化
しかし、現在の建物は築約30年と経年劣化が著しく、さらに新たな医療機器などを次々に導入した結果、病院内のスペース不足等も深刻化。こうした事から市では病院建物の「建て替え」「移転」「大規模改修」などを念頭に、大がかりな再整備を検討。準備が進められてきた。
売買契約は協議継続
横浜市は、病院再整備の条件として「現病院と近く、診療圏や連携する医療機関などへの影響が軽微である」「病院と公園が一体となった災害対策機能の向上が図れる」「現病院の敷地を公園に転換する事で、全体として公園面積は減少しない」といった理由から、これらを満たす移転計画地を一本化。現在は三ツ沢公園の一部として古河電気工業が所有する民有地などを活用する方向で調整が進められ、この程、相互間で協力していくことを確認する覚書を締結。「土地売買契約等の締結については今後、より具体的な協議を進め、市会に諮りたい」(病院経営局担当者)としている。
また現在の病院がある敷地は移転後、野球場が整備される予定となっている。
診療環境確保に全力
また移転先が、サッカーなどでプロの試合も行われる球技場に隣接している点について関係者は「防音対策などに万全を期すことで、病院内の診療環境を良好に保ちたい」とコメント。来年度までに完成する基本計画を通りに進めば、2020年に開院する新たな市民病院に期待を寄せている。
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