コロナウイルスの影響で今年度の長崎への修学旅行が中止となった市立宮田中学校(上原浩校長)の3年生が、訪問予定だった長崎市内の施設に贈る千羽鶴を折っている。平和への祈りを込めた「宮中平和宣言」などと合わせ、9月中にも現地へ届ける予定だ。
同校の生徒らは3年次の修学旅行に向けて、入学当初から平和学習を積み重ねてきた。本来であれば5月に長崎を訪れるはずだったが、コロナ禍で9月への延期が決定。8月中旬に感染者が再度増加した状況から、止む無く中止の判断が下された。
「思いだけでも」
生徒らに中止が知らされると、学年教諭と修学旅行実行委員はすぐに話し合いの場を設け「これまでの取り組みをこのまま終わらせるのではなく、実際に現地へ足を運べなくても思いだけは長崎に届けたい」と平和学習の継続を決定。「形に残る活動を」と授業時間内外で千羽鶴を折ったり、これまでの平和学習をスケッチブックにまとめる活動をはじめた。生徒からの呼びかけで、折り鶴づくりは教員らにも広がっているという。
生徒らの折り鶴は長崎原爆資料館、大刀洗平和祈念館、原爆死没者追悼平和祈念館の3カ所に捧げられ、作成したスケッチブックは文化祭で展示される予定だ。
活動も終盤を迎え、修学旅行実行委員長の塩入菜々さんは「修学旅行の中止は誰のせいでもないと分かっている。仕方ないとは思うけれど、残念だし悔しい。だからこそ、これまで真剣に学んできた平和への思いを長崎に送れるように、みんなで協力して取り組みました」と振り返る。上原校長は「生徒たちは前向きに、真剣に活動を継続してくれた。いつかコロナが収束した頃に、改めて長崎を訪れてほしい」と話した。
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