横浜市は外出時のトイレに不安を持つ市民からの要望を受け、コンビニ大手のローソンのトイレを来年度から公共化する意向を示した。4月に市内2店舗でトイレの利用を促す実証実験を開始。誰もが気軽に使える公衆トイレの役割をローソンが担い、慢性的なトイレ不足に陥っている地域をなくすのが狙い。
公衆トイレは、まちの公衆衛生の向上や市民などの移動を支えるインフラとして機能。市が管理する公衆トイレは76カ所で、横浜市電の停留所にあったものが多い。設置数が18区で最も多い中区には14カ所あるが、泉区にはなく、地域でばらつきがある。
これまでに市民から増設を求める意見が市に寄せられたが、費用面や土地の確保が難しく、設置が難しい状況。市によると、一般的な公衆トイレの設置に掛かる費用は1カ所あたり約4千万円で、水道光熱費などを含めた維持に年間約110万円を要するという。既存のトイレを改修して維持するのが精一杯で、老朽化やまちの再開発で取り壊す可能性もある。
来年度、本格実施
そこで市が目を向けたのが市内全域に店舗を構え、大和市や大磯町が行う店舗トイレの公共化事業に協力しているローソン。横浜市は来年度から市内にあるローソンのトイレの公共化を検討し、ローソンは店舗の売上向上になればと提案を受け入れた。公共化に向けた実証実験を4月17日から来年3月まで市内2店舗で行い、協力店の入り口などにトイレの利用を促すステッカーを貼付。実験結果を踏まえ、横浜市は協力金の支給や市の委託業者が清掃を手伝うなどの支援を考えている。
一方、コンビニトイレの公共化に課題もある。大和市は昨年2月から市内にあるコンビニトイレの公共化事業を開始し、協力店に年間200ロールのトイレットペーパーを支給しているが、市内約100店舗のうち、協力店は14店舗にとどまる(4月21日時点)。清掃頻度の増加などを懸念し、協力を見送る店も後を絶たない。横浜市は「店側にとっての最善の支援を考え、多くのローソンでトイレの公共化を目指す」としている。
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