区内で外国につながりのある子どもたちへの学習支援に取り組むNPO法人ABCジャパンが、今年度から活動経費にあてていた国の助成がなくなったことを受け、インターネットで幅広く事業資金を募るクラウドファンディングを活用し、支援を呼びかけている。同団体は、5月31日までに90万円を集めることを目ざしているが、最悪の場合は教室数を減らす可能性もあるという。
ABCジャパンは、区内の日系ブラジル人が中心となって設立。外国人の生活相談のほか、外国にルーツを持つ子どもたちへの学習支援などを行っている。
学習支援は小学校入学前から高校生まで年間のべ60人が利用。日本語がわからないまま来日し学校での授業についていけないケースも多く、初歩の日本語指導から、受験準備までサポートする。
「学習支援は学校だけではまかないきれないのが現状。ここを利用する子どもたちは年々増え、今後も傾向は変わらないと思う」と同団体は話す。
国の助成終了
学習支援活動はこれまで国の助成を受けていた。この助成事業は、各支援団体への直接補助だったが昨年度で終了。「運営費の半分を国の助成で賄っていた。他の補助に頼っても足りない。自分たちで費用を稼ぐのにも限界がある」
今年度、国は新たな補助事業を実施しているが、新事業は支援主体を自治体へ移したうえ、総事業費の3分の1を自治体に対し補助するという形に変更。国は、「支援は地域の状況に合わせ自治体主体でやる方が望ましい」と話す。
国はこの2月に1次募集を実施し、現在2次募集中だが、主体となる横浜市は応募の予定はないという。
これについて市教育委員会は、時間的に今年度予算に間に合わなかったことを理由に挙げた。「国からの募集のタイミングが遅かった。何らかの対策は必要だと思う。来年度予算に向け、実態把握などについて検討していきたい」
社会全体の問題
クラウドファンディングは、インターネットで不特定多数の個人から実現したいプロジェクトへの資金を集めるサービス。新しい資金調達手段として全国に広がりつつある。
同団体は4月末ごろからこのサービスを利用し、5月18日現在で35万6千円が集まった。支援者は金額に応じてサンクスレターなどとの引換券を受け取ることができる。
90万円の目標額に到達しなければ、支援金は団体には入らない。学習支援教室の賃貸料にあてる予定だが、「集めきれなければ最悪、部屋を減らすことも検討する」という。「学べず働けない子どもらは犯罪に手を出す場合もある。社会全体の問題として考えて」と同団体は訴えている。
募集は5月31日まで。詳細はhttps://readyfor.jp/projects/ABCJapan。
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