横浜サイエンスフロンティア高等学校付属中学校の校長に就任した 栗原 峰夫さん 小野町在勤 58歳
心届く言葉で語り合う
○…この春新設された横浜サイエンスフロンティア高等学校付属中学校。高校の開校準備から関わり足かけ10年以上。2012年からは同校校長に着任し、4月からは中学も兼任することになった。「中学生と向き合うのは初めての経験。ワクワクしている」。期待するのは、同じ学び舎で生活する高校生と中学生の交流。「お互い良い刺激になるはず。もともと当校の生徒は面倒見が良い。中学生にとっても理想の先輩を見つける機会になれば」
○…農学部の大学受験に失敗し、将来の進路を考えていた浪人中に、教師を志した。進学校だった中学・高校時代。医師や官僚など、いわゆるエリートコースを目ざす生徒が多く、「教職を選ぶ者がいないのは残念だ」と言う教員の言葉が残っていた。恩師への感謝もあった。現役時代は成績がふるわず校長室に呼び出されるのは日常茶飯事。だが卒業して振り返ると、自分のためを思って叱ってくれた校長のありがたさを感じた。「今までの恩返しをしたい。少しでも先生のような貢献ができる人になりたいと思った」
○…理系のイメージが強いサイエンスフロンティアで意外にも国語教員。言葉へのこだわりがある。「生徒や教職員へ語る時はいつも『言葉の勝負』。紙を見ながらの挨拶はしない」。愛する文豪は夏目漱石。「150年も前の人物だが社会を見る目が的確」と評し昔の千円札も集めて保管しているほどのほれ込みよう。F1などのモータースポーツや、スヌーピーのファンでもあり、自宅だけでなく、校長室にも写真やグッズを忍ばせている。
○…少年だった自分へ語り続けてくれた校長に憧れ、全力をかけて教員人生を送る中で自らも同じ立場となった。校長室での生徒との対話は、かけがえのないものであり、生徒も自分の言葉を受け止めてくれていると感じている。「生徒といる時間、空間が好き。これからも大事にしたい」
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