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鶴見区版 公開:2018年8月23日 エリアトップへ

平和のつどいで原爆について語った、日本原水爆被害者団体協議会の事務局次長 和田 征子さん 市場上町在住 74歳

公開:2018年8月23日

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平和願い、伝える体験の記憶

 ○…「今では考えられないような非人道的なことが起きた」。7日に行われた平和のつどいで、子どもたちに原爆の恐ろしさを力強く訴えた。普段は被爆者唯一の全国組織である日本原水爆被害者団体協議会の事務局次長として月に15回ほど、講演のため全国を飛び回る。昨年11月には、バチカンに招待され、ノーベル平和賞受賞者たちやローマ法王の前でスピーチをした。「ねたみ、そねみ、名誉欲、野心…人間の汚いものを解き放つことが平和につながる」と心に刻み、活動に励む。

 ○…1歳10カ月の時、長崎の爆心地から2・9Kmの自宅で被爆した。自身は当時のことを覚えていないため、母から聞いた話。緑だった山は燃え、茶色く染まった。山を越えて逃げる人達は負傷し、男か女かも分からない、蟻の行列のようだった。焼き場には大八車で毎日毎日死体が運ばれてきた。荷台には人形のような手足がとび出していた。人間の尊厳も何もなかった。「直接的な記憶がない自分が語っていいのか」。ずっと躊躇いがあった。そんな時に同じ語り部の先輩がくれた「若い人が話してくれるのが嬉しい」という言葉。気負わずに話していこうと誓った。

 ○…21歳の時に洗礼を受けたクリスチャン。品川の教会に毎週日曜日に通って祈る。夫とは一緒に出掛けることもしばしば。活動に協力的だという2人の息子は「パワーポイントなど、ネットのことを手伝ってくれるから頼もしい」と微笑む。

 ○…「74歳の私が青年部。笑ってしまうでしょう」。高齢化し、段々と被爆者は少なくなっている。被爆者がいなくなった後、どうやって伝えられるか。資料を集めて電子化するなど、様々な形で後世に残す運動は行われているが「生の声で聴くのは違う」。次世代へ自身の声で伝えていく。

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